桜木は私をギュッと抱きしめてくれる。 私は桜木の腕の中で、ボロボロと泣いた。
「助けてよ……桜木。私を助けて……。私、どうすればいいの? ねぇ、桜木……教えてよ」
私はこれからどうやって、生きていけばいいのだろう。……どうしたら、いいの。
「……ごめん、真琴」
桜木はずっと謝ってばかりだった。
「真琴、とりあえず病院へ行こう」
「病院……?」
「ケガしてるし、手当してもらおう」
私は「……うん」と頷いて、桜木に手を引かれ歩き出した。
✱ ✱ ✱
あれから二週間が経った。
「……はあ」
「どうしたの、真琴?」
ため息を吐く私に、萌恵が声をかける。
「……え、なにが?」
「なんか最近、ずっとため息ばかり付いてるじゃん」
萌恵にそう言われて「そんなことないよ」と言い返したけど、萌恵は私があんな目にあったことを知らない。
そりゃあため息も付きたくなる。 だって私、ヴァンパイアになるかもしれないんだから。
「だって最近、ずっとため息ばっかりじゃん。おまけにずっと上の空だし。……なんか、いつもの真琴らしくない」
「……最近ちょっと色々あったから、疲れてるだけだよ」
ヴァンパイアがいることを、萌恵は信じるのだろうか。
「そう? まあ、なんかあったら、いつでも相談してね」
「……ありがとう」
萌恵には、こんなこと話せない。 余計な心配をかけたくない。
桜木のことも、話せる訳はない。



