「ねえ、桜木……?」
「ん?」
真琴は心配そうに俺を見つめ「……私、ヴァンパイアなんかにならないよね?」と問いかけてくる。
「え……?」
「私は……ヴァンパイア血を打たれた。 つまり今私の中には、ヴァンパイアの血が巡ってるってことだよね?……それで私がヴァンパイアになるってこと、あるの?」
真琴の体は震えていて、俺は思わずその体をギュッと抱きしめて「……ああ、ねぇよ。 つーかある訳ねぇよ、そんなこと。……あってたまるか」と伝えた。
アイツが俺みたいになる……? いや、そんなことある訳がねぇよ。
だがアイツが真琴にヴァンパイアの血を打った以上、本当にそうならないとは限らない。
俺の血で抑えてるものの、もしかしたらそうなる可能性もある。
死ぬことはねぇって言ってたが、本当にそうならないとは限らない。
「桜木……私、桜木になら殺されてもいいよ」
「バカ!何言ってんだよ」
「だって……私、人間じゃなくなるんでしょ」
真琴がもし……俺と同じヴァンパイアになったら、俺はどうする?
どうすればいいんだ……。
……いや、ヴァンパイアになる可能性はなくもない。
だがアイツがヴァンパイアになったら……俺はアイツと敵同士ってことになる。
もし真琴が敵になったら、俺は真琴を殺すのか?……いや、そうしないと信じたい。
信じていても、結局は殺すしかなくなるのか……?
「……絶対に大丈夫だから、な?」
「……っ」
俺は……真琴をちゃんと守れるのだろうか。



