「その……また、キスしたこと……ごめん」
「気にしてないって」
桜木はそう言っていたけど、本当に気にしていないのだろうか。……そうとは思えない。
「……お前って、ある意味ヴァンパイアより怖いよな」
「え? なにが?」
「お前、俺がヴァンパイアだってこと知ってて俺にキスしたんだろ?」
私はそう聞かれて、確かに……と思ってしまった。
「……あれは、無意識だったんだよね」
桜木のことをどう思っているのか、私にもわからない。
私は桜木のことをどう思っているのだろうか。 少なくとも、嫌いでもないし怖くもない。
「ごめん、本当に」
桜木は歩き出す私の腕をガッと掴んだ。
「……え?」
私は桜木に視線を向ける。
「お前、俺のことどう思ってんの?」
桜木から真剣な目で見つめられ、つい「どうって……?」と口にしてしまう。
「俺とお前って友達、なんだよな?」
「……そう、だね」
そうだよね。私たちって友達、だよね……?
「言っとくけど俺は……お前と友達だなんて、思ってないからな」
「……え?」
それは、どういう意味……なのだろうか。
「どういう……意味?」
桜木にこうして見つめられるだけで、なぜかドキドキしてしまう。
どうしてなのだろうか。……その目に見つられると、胸がときめくんだ。
「俺はお前のこと、友達以上だと思ってるから」
「友達……以上?」
友達以上って、なに? 友達より上って、なに……?



