やっぱりあれは、脅されてたんだ……。

「ならどうして、仲間にならなかったの? 仲間になれば、アンタは危険な目に遭わなくて済むんだよ?」

 私が桜木にそう話すと、桜木は私の手を掴んで私に「ふざけんなよ。 俺はそんなこと、どうでもいいんだよ」と私を見つめてきた。

「……え?」

「俺は自分がどうなろうが、関係ない。……でもな、お前だけは危険な目に遭わせたくないんだよ。 だからお前を守るって言ったんだろ」

 桜木が私に真剣な眼差しを向ける。

「……でも私はっ」

「いいから、お前は俺が守ってやる。……だから大人しく守られてろよ」

「桜木……」

 そんな男らしい姿を見せる桜木に、胸がキュンとなった。
 桜木のカッコよさを知る度に、ますます目が離せなくなる。……どうしてなのだろうか。
 あのキス以来、私はおかしいんだ。 桜木のことになると冷静になれないし、頭が混乱しておかしくなる。

「それに俺は、アイツらの仲間になる気なんかサラサラなかったんだよ。……だからこれでいいんだよ。お前はなにも気にするな」

「……わかった。 桜木がそう言うなら、気にしないことにする」

「ああ。頼むからそうしてくれ」

 私は桜木を見つめると、「……桜木、一つだけ聞かせて」と問いかける。

「なんだよ」

「あの人たちの目的は、一体なんなの? なんでアンタのことを狙うの?」

 私はどうしてもその理由が知りたい。

「一つだけ言えることがある」

「……なに?」

「アイツらの狙いは俺の血だ」

「桜木の、血……?」

「ああ。前に狙われた時も、俺の血が目的だった」