「……なっ!? なんだと!?」

「っ……!?」

 はあ?道ずれ……?!
 それにあの人間の女って、もしかして……私のこと?

「あの真琴って子、美人な子よね」

 やっぱり私……。なんで私なんかを……? 

 いや、意味わかんない……!

「言ったわよね? アンタが仲間にならないなら、あの女を殺すって」

 なっ、なによそれ……? 私を殺す、ですって?

「はあ……?」 

 冗談じゃないわよっ! あんな変な女になんて、殺されてたまるもんですか!

「……っ」

「最後に忠告だってしたはずよ。 あの女に手出しされたくなきゃ、私たちの仲間になれって」

「……ふざけんなよ。俺はお前らなんかと一緒にされたくねぇんだっつーの」

 と桜木は言っているけど、目の前の女は引こうとはしない。

「桜木ユズル、最後にもう一度だけ聞くわ。 私たちの"仲間"になるわよね?……ならなきゃどうなるか、わかってるわよね?」

 さあ答えて、桜木。 アンタはどうなの……?

 その場面を目撃して、思わず息を飲んでしまう。

「……バーカ。俺を脅そうだなんて、100年早いっつーの」

「なんですって……?」

「言っただろ。 俺はぜってぇお前らの仲間になんかならねぇし、なるつもりもない」

「っ……じゃあアンタは、あの女がどうなってもいいってことよね? 本当に殺すわよ!?」

 ウソでしょ……? ちょっと桜木、アンタ一体なに考えてる訳!?
 アンタ、私が殺されてもいいってことっ!? どうなのよ、桜木!
 答えなさいよ! この自己中吸血鬼(ヴァンパイア)……!