「でもアンタ私を殺したりはしないでしょ?……だって私は、アンタの唯一の゙味方゙なんだから」
「……味方?」
「そう、私はずっとアンタの味方よ。 なにがあろうとも、アンタの味方でいる。……約束する」
私は桜木の秘密を、必死になって守り抜きたいと思ってるから。
「お前はなんで、俺にそんなこと言うんだよ。お前だって俺の本当の正体を知ったら、きっと俺を嫌うはずだ。……そんな俺なんかの味方、しなきゃよかったって、きっとそう思うに違いない」
桜木がそう告げた瞬間ーーー。
パァーン……!!
「……いってっ」
私は思わず桜木の頬を叩いてしまった。
「バカじゃないの!? そんなんで嫌うわけないじゃん!……言ったでしょ、ヴァンパイアだろうがなんだろうが関係ないってさ!」
私も桜木のことを叩きたかった訳じゃない。 そんなことするつもりもなかったんだ。
だけどそう言われて悔しくて、腹が立った。 桜木自身が、私から遠ざかろうとしているように感じ
たんだ。
だからなのかもしれない。
「……お願いだから、私を信じてよ、桜木」
私は桜木に無意識に抱き着いていた。
「真琴……」
「信じてよ。……私はアンタに死んでほしくない」
「え……?」
「私は、アンタに生きててほしいよ」
桜木は私にとってはヴァンパイアだけど、ヴァンパイアじゃない。
桜木は人間なんだ。 ただ、死んでほしくなんてない。
「……ごめん、変なこと言って」
私は桜木から離れると、そのまま桜木に背を向けて走り出した。



