「友達……? 俺とお前が、友達?」
「そう、もう友達だよ」
桜木はそんな私に「俺は友達だと思ってねえけど」と言うけど、私は「私はアンタと友達だと思ってるけど」と言い返した。
「なんなんだよ、お前……」
「桜木、私はアンタの味方よ。アンタが危険な目に遭ったら、私はアンタを助ける。 だから大人しく守られてなよ」
私は桜木の肩を叩いた。
「……俺はお前の敵だ。お前を殺すかもしれないんだぞ?」
「ううん。アンタは絶対私を殺したりはしないよ」
「なんでそう言い切れる? 殺さない保証はどこにもないんだぞ?」
桜木は少しだけ感情的になっているけど、私は桜木のことを知っている。
桜木が不器用なだけなんだということを。
「言ったでしょ。私はアンタを信じてるって」
「いや、信じるだけじゃどうにもならないこともあるだろ」
桜木が不器用なのはきっとヴァンパイアだからだ。 桜木は人間として生きることに、まだ慣れていないだけだ。
「わかってる。 でもアンタは、絶対に私を殺さない。……むしろアンタには、私を殺せないと思ってる」
「……なんだ、すごい自信だな」
「アンタは人を殺せるようなタイプじゃないでしょ。……それにアンタは、私がなんと言おうと、私を殺すようなことはしない」
桜木が私を殺すとしたら、きっと私がヴァンパイアになった時だろう。
そうなったら私は、気持ちよく桜木に殺され覚悟が出来るだろう。
「お前を殺すか殺さないかは、俺が決める」



