「萌恵、私もう帰るけど、彼氏と帰る?」

「あ、うん。ごめんね」

「ううん、じゃあね」

「うん。バイバーイ」

 私は萌恵と別れて、そのまま学校を出た。 そして歩いてる途中で……。

「……ん?」

 桜木の姿を見つけた。

 あれ?あれって桜木だよね? なにしてんの……?

「言われなくてもわかってるって。ちゃんと見つけ出す。……俺はちゃんと役目を果たすだけだ」

 ていうか桜木、なんか口調違くない? さっきまで遠慮がちだったのに、なんかちょっと俺様って感じの喋り方だ。 ……さっきと雰囲気が違う。
 まぁいっか。……私には関係ないし。

「わかってる。なんせ俺は、"吸血鬼(ヴァンパイア)"だからな」

「っ……!?」

 えっ、ええっ……。今の何!? 
 ば、ば、ヴァンパイア……!?
 ど、どどど、どういうことぉ……!?

 あっアイツ、吸血鬼なの……!?
 う、ウソだ……! これって幻聴……!?

「どっ……どうしよう」

 私はそこから動けなくなってしまった。 そして私は……アイツのヤバイ秘密を知ってしまった。
 アイツがヴァンパイアだなんて……信じられない。
 だって、だって、アイツ見た目は人間だよ?
  
 アイツを見て、誰が吸血鬼だと思うのか。 そんなこと、誰も思わないし、思う訳がない。
 吸血鬼……ヴァンパイア……。これって現実?