そんな桜木を見ていると、なんだかクスッと笑いそうになる。
「アンタ、私に言ったでしょ。人間はヴァンパイアを嫌うのに、お前だけは普通の人間と同じように接してくれるって」
「ああ。……それがどうしたか?」
「その理由、教えてあげる」
桜木は私に「理由……? なんだよ、突然」と困惑したような表情を見せる。
「アンタが人間だから」
「はっ?」
「アンタも、私と同じ人間だからだよ。だからみんな平等に接してるだけよ。 心と身体はヴァンパイアかもしれないけど、見た目は人間でしょ?」
桜木は黙って私を見つめている。
「そういう言葉だって、人間と同じ言葉を喋ってるんだから。……アンタは、人間となんら変わらないよ。 私たちと一緒」
桜木は私から目を逸らすと、照れ臭そうな表情を浮かべている。
「……俺にそう言ってくれるのは、きっとお前だけだろうな。俺はヴァンパイアだから」
「言ったでしょ。 そんなの関係ない」
「真琴、お前わかってるのか? 俺にとって人間は敵なんだぞ?……下手すりゃ、殺さなきゃイケない相手なんだぞ」
それがなに? 私は桜木とこうして話せるんだから、何も怖くなんてない。
「殺さなきゃイケない相手だからなに?」
「は?」
「殺さなきゃイケない相手だから、関わるなって言いたいの?」
私がそう話すと、桜木は「それは……」と口ごもる。
「言ったでしょ。 私はヴァンパイアだろうがなんだろうが関係ないって」
「でも俺は……」
そんな桜木に私は「私と桜木は、友達でしょ?」と問いかけた。



