私は桜木に一歩近付くと、桜木を見つめながら「アンタは私が守るって、前にも言ったでしょ。だから約束は絶対に守る。……アンタは絶対に、私が死なせないから」と伝えた。
すると桜木は軽くため息を吐き「……あーあ、情けねぇな、俺って」と言い出した。
「え?」
桜木は再び歩き出すと「ヴァンパイアのくせに、人間のお前に守られるなんてな。……ましてや、女のお前にさ」と言ったのだった。
「なに言ってんのよ、桜木」
「……え?」
「人間だろうがヴァンパイアだろうが、そんなことは関係ないよ。……守るものがあるなら、それを守るために必死になるのが、人間なんだからさ」
私もそう。 桜木を守りたいと、守らなきゃいけないって思ったんだ。
ヴァンパイアである桜木を守ることに意味なんてあるのかなんて、そんなのはわからないけど、守るべき存在だと感じたんだ。
「……必死に、なること?」
「そう。例えアンタが人間じゃなくても、私がアンタを守ることに変わりはないの」
「……真琴、お前はなんで、そんなに俺のこと気にかけてくれるんだよ」
桜木にそう言われた私は、桜木の制服の裾を掴んで振り向かせた。
「……真琴?」
「そんなの、アンタが私を信じてくれるからに決まってるでしょ。……逆に聞くけどさ、それ以外に理由なんて必要ある?」
私が桜木にそう問いかけると、桜木は「……質問に質問で返すなよ、バカ」と言い返してきた。
「素直じゃないんだね、桜木。ヴァンパイアのくせに」
「……余計なお世話だっての」



