「……ねえ、桜木」
私は桜木に言い過ぎてしまったと、反省していた。
「ん?」
「……今日はごめんね。 ちょっと言い過ぎた」
桜木にそう伝えると、桜木は「……いや、気にするな」と言ってくれた。
「……でも、よかった」
「え?」
桜木が立ち止まり私を見る。
「桜木に……なにもなくて良かった」
桜木が「お前……」と私を見るけど、私は桜木と目を合わせて「本当に……よかった」と桜木の服の裾を掴んだ。
「真琴……一つ聞いていいか?」
「なに?」
桜木は私を見つめ「なんでさっき、俺を助けた?」と問いかける。
「……わかんない、なんでかな」
「はっ?」
私にも正直、わからないの。 無意識に走っていたのだから。
「……なんかイヤな予感がして、来た道引き返しちゃったんだよね」
人間の私がヴァンパイアを助けようだなんて、何を考えているのかと言われたら、実際にそうだと思う。
「……ありがとう」
「え……?」
「……お前が来てくれて、ほんとに助かった」
てっきり桜木に怒られるかと思っていたのに。
「気にしないで。 桜木が無事ならそれでいいし」
そう、これは私の本音だ。 どうしてそう思うのかなんてわからない。
だけどなんか、桜木の助けになりたいって思うんだ。
「……正直言って、もうダメかと思った」
「え?」
桜木は私に「ああ、俺死ぬんじゃないかって……そう思った」と話してくれた。
「……バカね。死ぬわけないでしょ。 ていうか、絶対死なせないし」
「はっ?」



