「桜木、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
桜木だって、本当は怖いくせに強がっている。 桜木、バレバレなんだからね。
でもそこが桜木、なんだよね……。桜木はヴァンパイアなのに人間だし。
「……桜木、一つ聞いてもいい?」
「なんだよ」
「アンタ、自分が死ぬの……怖くないの?」
桜木を見てると感じてしまう、そんな感情。 桜木は自分が死ぬことに対して、どう思ってるのだろうか。
「死ぬのが怖い……?」
「……うん。だってアンタ、命狙われてるんだよ?普通は死ぬのが怖いはずだよ、誰だって」
私なら死ぬのが怖いし、死にたくない。 人間なら、みんなそうだ。
「……俺は死ぬのが怖いなんて思ったこと、一度もないからな」
「……え?」
桜木の目をジッと見つめると、桜木は「俺はヴァンパイアだぞ。 ヴァンパイアが死ぬことを恐れていたら、簡単に殺される。……死ぬのが怖いなんて思ってたら、俺は今頃死んでる」とココアを口にする。
「……私は人間だから、死ぬのが怖いよ」
死んだらやりたいことなんて出来ないし、夢だって叶えられないし。
「人間はきっと誰もがそうだろ?」
「でも死ぬのが怖いのは、私だけじゃない。……アンタだって本当は、怖いはずだよ」
「……は?」
桜木不思議そうに私を見つめる。
「アンタは怖くないって言ったけど、本当は怖いはずだよ。……心の中ではきっと、そう思ってると思う。 今の人間の姿の桜木なら、きっとそう思うはずだよ」



