「そっか。良かったね」

 彼氏ね……。恋なんて面倒くさいと思うけど。

「もう……真琴も彼氏作ればいいのに」

「私は彼氏なんていらないよ。 男なんてバカでくだらないし、めんどくさいだけ」

 恋をするメリットをあまり感じない。

「なんていうか、真琴ってほんとに思いやりがないよね」

「え?それどういう意味?」

「なんていうか、真琴はズバズバ言い過ぎなんだって」

「なに言ってんの。これが私だって知ってるでしょ? 私は昔からそうなの」

 私がそう言うと、萌恵は「まぁたしかに、そうだけど……」とお弁当の卵焼きを頬張る。

「でしょ? だからもう変えられないよ」

「……もう」

「てかアイツ、なんか気に入らない」

「ええっ!? 桜木くん?」

 萌恵が目を見開く。

「だってさ、なんか怪しくない?」

「どこが? べつに怪しくないよ」

「……そうかな」

 なんか怪しいと思う。絶対になんか裏がある気がする。

 お弁当を食べ終えた後は、何事もなく授業を受けた。そして授業が終わるチャイムが鳴り響く。

「おーい席つけー。ホームルーム始めるぞー」

 担任が教室に入り、ホームルームを始める。

「明日は集会があるから、絶対に遅刻するなよー。じゃあ帰っていいぞー」

 ホームルームが終わりみんな帰る準備をはじめる。
 ふう……終わった終わった。疲れたから今日は、寄り道しないで帰ろうかな。