「……女のヴァンパイアか」
女のヴァンパイアは珍しくはない。 だが特徴もわからないし、名前もわからないと。
となると後は、血のニオイだけが頼りか……。だがそれだけじゃ、なにもわからない。
「……くっそ」
なんでこうなるんだ……。ああもう、どうしたらいいかわからねぇ。
かといって、アイツに危害を加えるわけにはいかねぇし……。
アイツは普通の人間だ。そもそも関係ないんだ。
ダメだ、アイツを巻き込むわけにはいかねぇ。……俺のせいで、真琴を傷付けたくない。
「……とりあえず、早くなんとかしないとな」
その日俺は、色んなことを考えながら眠りについた。
次の日、いつも通りに家を出る。
「……見た目は普通の女子高生なんだよな」
それじゃあ、さすがにわからねぇか……。さすがに見た目だけじゃ判断できねぇしな。
とにかく一刻も早く解決策を見つけないと、俺の命が完全に危なくなる。
「おはよう、桜木」
真琴は後ろから俺に挨拶をしてきた。
「え? ああ……おはよう」
真琴は俺に「どう? あれからなんか進展はありそう?」と聞いてくる。
「まあ、少しはな。 一応そいつについての情報が、少しだけわかったくらいだけど」
「え、本当に?」
「ああ、俺を狙ってるは女のヴァンパイアらしい。でもって見た目も、俺と同じで普通の人間らしい」
俺にとってはクラス全体、いや学校全体の女子が俺の敵ってことになる訳だけど。
真琴は絶対に違うとわかっているから、真琴ではない。



