「……ねえ、ユズル?」
「ん?」
「この子の名前……私決めたよ」
真琴が嬉しそうに俺に微笑みかける。
「……実は俺も、この子の名前、考えてきたんだ」
「え? ユズルも……?」
色々と調べてみたりして、いい名前がないかを考えてみた。 よく考えると悩んでしまい、すごく大変だったけど。
でもどうしても、俺は子供に付ける名前をこの名前にしたかった。
真琴が気に入ってくれると、いいんだけど……。
「ウソ……考えてくれたの?」
「……ああ。俺たちの子供だから、俺も一緒に考えたかった」
真琴は「ユズル、ありがとう」と言ってくれた。
「私が考えた名前は……これだよ」
真琴が見せてくれた紙には、子供の名前が書いてあった。
その名前にはーーー。
「……え? 一緒だ」
「えっ?」
それは俺が考えた名前と、同じ名前だった。まさか、同じ名前を考えているなんて……。
「俺も、同じ名前にしたんだ」
「ウソ……?」
「本当だ」
まさか真琴も、同じ名前にしていたなんて……。
こんな奇跡はないな。
この子の名前は……。
「……歩夢(あゆむ)」
「いいね、歩夢」
明るい未来へと真っ直ぐ歩いていってほしいと願いを込めて、歩夢(あゆむ)と名付けた。
桜木歩夢(あゆむ)。 これが、俺たちの子供の名前だ。
「……歩夢、あなたの今日から歩夢よ」
「よろしくな、歩夢。 今日から俺が、お前のパパだ」
嬉しそうに笑う真琴の顔は、完全にママの顔になっていた。
俺たちの元にやってきた小さな天使は、歩夢という小さな宝物になった。
【完結】



