【完結】俺様吸血鬼(ヴァンパイア)との甘い恋

【sideユズル⑩】


「ユズルくん!? 真琴が産まれそうなの!」
 
「えっ!? 真琴が……?!」

 昼休みに屋上で寝転がっていると、真琴のお母さんから電話がかかってきた。

「すぐ行きますっ!」
  
 俺は急いで屋上を飛び出し、先生の元へと走った。

「先生……!」

「桜木? そんなに慌ててどうした?」

 俺は先生に「俺早退します! 真琴が赤ちゃん、産まれそうなんです!」と話すと急いで走り出す。

「えっ!? あ、おい、桜木!廊下は走るなっ!」

 待ってろよ、真琴! 今行くからな……!

 俺は急いで病院まで走った。


✱ ✱ ✱


「ユズルくん!こっちよ!」

「お母さん! あの、真琴は……!?」

「今、産まれたわよ」

「えっ……産まれた?」

 病院に着いた時にはすでに、真琴は出産したばかりだった。

「本当……ですか?」

「あ、お父さんですか?」

 看護師さんらしき人が分娩室から出てきた。

「あ、はい……」

「おめでとうございます。元気な男の子ですよ!」

 第一子は、元気な男の子だ。 待ち望んでいた子供が、ようやく産まれた。
 俺は今とても嬉しい気持ちでいっぱいだった。

「ユズルくん、おめでとう」

「……ありがとう、ございます」

 まだ信じられない。……でも、俺たちの子供は確かにここにいるんだよな。
 なぜだかわからないけど、自然と涙がこぼれた。 きっと嬉しい気持ちと、ホッとした気持ちが入り混じっているのかもしれない。

「ユズルくん、真琴すごく頑張ってくれたのよ」

 真琴のお母さんは優しく微笑んでくれた。