俺も真琴が切迫早産になりかけて入院している間に誕生日を迎え、十八歳になっていた。
俺はこの時をずっと待っていた。 ようやく、その夢が叶って嬉しいんだ。
「真琴、婚姻届……書いてくれるか?」
俺は婚姻届を取り出し、真琴に見せる。
「……うん」
真琴とこうして家族になることが、俺にとってどれだけ幸せなことなのか。
「お母さん……婚姻届の証人の欄、書いてほしい」
「もちろん、いいわよ」
真琴のお母さんが、婚姻届の証人の欄にサインを書いてくれる。
「桜木は……婚姻届の証人、誰にするの?」
「俺? 俺は、もう頼んであるから大丈夫」
「え……?」
俺はとある人に、婚姻届の証人をお願いしていた。
「俺も書いてもらう。 そしたら、一緒に出しに行こう」
真琴は嬉しそうに「うん、わかった」と微笑む。
「さ、今日は真琴の好きなものを用意したの。たくさん食べましょう」
「うん」
真琴の誕生日をこうして祝えるのは、本当に嬉しい。
「いただきます」
「いただきます」
「……ん、美味しい」
真琴のこの美味しそうに食べる姿も、俺は好きだ。
✱ ✱ ✱
俺は翌日の放課後、担任である片倉先生を呼ぶ。
「先生」
「桜木? どうした?」
俺は先生に「俺、先生にお願いがあります」と告げると、先生は「お願い? なんだ?」と俺を見る。
「あの……これにサインください」
「え、サイン? なんのだ?」
俺は先生に婚姻届を見せる。



