「真琴、俺と家族になってほしい」
真琴はそんな目を見つめると、涙目で微笑む。そして俺の手を取り「……はい。 こちらこそ、家族にしてください」と笑ってくれた。
「ずるいよ、こういうの……」
真琴はボロボロと涙を流し始める。
「真琴、おめでとう」
真琴のお母さんが真琴を優しく抱きしめる。
「お母さん、もしかして、このこと知ってた……?」
「ええ。 ユズルくんから、前々から相談されてたからね」
「ええ……。知らなかったの、私だけ……?」
真琴は「もう、こういうサプライズ……ずるい」とふてくされているけど、「でも……すっごく嬉しい」と笑っていた。
「ちなみにその指輪……安物なんだ」
本当はもっといいものを買ってやりたかったけど、未成年の俺には高い指輪を買うことなんて出来なかった。
だけどいつか、ちゃんとした結婚指輪を買うと約束した。
「ううん、値段なんて……私には関係ないよ」
「いつかちゃんと、もっといい指輪……買うから、それまで待ってて」
俺がそう話すと、真琴は「うん……いくらでも待ってる」と笑ってくれた。
「ありがとう……本当に嬉しい」
安物の指輪でもこんなに喜んでくれる真琴の最高の笑顔を見て、俺は絶対に真琴を幸せにすると決意した。
「桜木、お母さん……ありがとう」
「ユズルくんと子供と三人で、幸せになりなさい」
「……うん」
真琴が十八歳になった今、俺は真琴と本気で家族になることの幸せを感じていた。



