【sideユズル⑨】



「真琴、お誕生日おめでとう」

「お誕生日、おめでとう真琴」

「ありがとう、二人とも」

 今日は真琴の十八歳の誕生日だ。 真琴がようやく、十八歳になった。

「真琴、これ……誕生日プレゼント」

「え?……いいの?」
  
 俺は真琴に誕生日プレゼントを渡した。

「これは俺とお母さんからの、誕生日プレゼント」

「えーなんだろう」

 真琴は「開けてみてもいい?」と聞くので「ああ、開けてみ」と返した。
 
 真琴は「開けてみようかな」とラッピングを解いていく。

「これ、なに……?」 

 真琴はそのプレゼントを見て、驚いている。

「ん? 誕生日プレゼント」

「いや、そうじゃなくてっ……」

 真琴は「そうじゃなくて……これって、どういう意味?」と俺に問いかける。
 俺は真琴のそばへ歩み寄ると、「こういう意味」と真琴の左手を手に取る。

「えっ……?」

 俺は真琴の左手の薬指にそっと触れると、その薬指にそっと指輪をはめる。

「え、え……えっ?」

 真琴は驚いているのか、目をクリクリとさせている。

「真琴……俺と結婚してくれる?」

「……え?」

 実は真琴が十八歳の誕生日を迎えたその日、俺は真琴にプロポーズすることをずっと前から考えていた。
 それは真琴のお母さんにもひっそりと相談していて、真琴のお母さんにも協力してもらっていた。
 真琴にはバレないかハラハラしていたが、なんとか当日までバレなかったので安心した。