その日の夜、帰宅した私はまたお母さんと話そうと思い、リビングへと行った。
「……お母さん、あのさ」
「言ったでしょ、絶対に認めないわよ」
「お母さん……」
お母さんは私に近付くと「あなたにもしものことがあったら、お母さん、悲しいの。……あなたにもしものことがあった時、お母さんはあなたを守れないのよ?」と私を心配そうに見る。
でもお母さんの声は、とても低くて怖かった。 だけど……震えてるようにも、感じた。
「お母さん、聞いて」
「お願いよ、真琴。 分かってちょうだい」
「……お母さん、お願い。私、この子を産みたいの。 小さな命を、私の手で抱きしめてみたいの」
お母さんに訴えたけれど、取り合ってはもらえず「言ったでしょ。絶対にダメよ」と念を押されてしまった。
「どうして?……私はこうやって授かった命を、殺すことなんてできない。 堕ろすなんて、絶対にイヤ!」
「いい? 真琴、あなたはまだ高校生なのよ?あなたは大人じゃない。働いてる訳じゃないのに、どうやって育てていくつもりなの?」
私はお母さんに「……学校辞めて、この子のために働く」と告げるけど、お母さんは「お母さんは、反対よ。 子育ては、そんなに甘いものじゃないのよ」と私を否定する。
その後お母さんは、私に「真琴、産むって言うなら……この家からは出て行きなさい」と告げたのだって。
「え……?」
どうして……。どうして、認めてくれないの?私がまだ子供だから?
それとも、バンパイアの子供を身ごもっているから……?



