「いい反応だな。もっと見せろ」

「いやっ……っ」

 恐怖で支配されている今、抵抗なんてしたってムダなんだ。
 そんなことしたら、アイツの怒りを生むだけ。

  もう下手なことはできない。私は アイツの言いなりになるしかない……。
 これが生きるために必要なことなら、受け入れるしかない。
 愛おしそうに、私の太ももを撫でるアイツの手が私を支配する。

「……細くてキレイな足だな」

「触ら、ないでっ……」

「安心しろ。今日は君と初めての子作りだし、なるべく優しくするよ」

「っ……イヤッ……」 

 太ももを撫でながら、怪しい笑みを浮かべた男が私の下着に手を伸ばしてきた。
 私の下着をするりと脱がせると「さあ、俺の全てを教えてあげるからね、子猫ちゃん」と厭らしく微笑む。
 思わず悔しさで涙がこぼれ落ちる。

「泣かないで、子猫ちゃん。大丈夫だから」

「……っ、やだっ」

「安心しろ。すぐに気持ちよくなるから」

「……っ!」

 桜木……助けてっ! お願い、助けてっ……!

 その時だったーー。

「やめろっ! 真琴に手を出すな!」

 部屋のドアが勢い良く開いて、血相を変えた桜木が入ってきた。
 その顔は、怒り狂いそうなくらいだった。

「桜木……?」

「おいおい。 今いいところだったんだから、邪魔するなよ、桜木ユズル」

「なんだと……?」

「今から子猫ちゃんど子作り゙するところだったんだけど」

「っ……! ふざけんなっ!コイツに手ぇ出したら、俺が許さない!」

 桜木が、アイツの胸ぐらを掴んで私から引き離す。