「心配するな。……俺がお前を、必ず守り抜いてみせる」
「……きっとだよ。絶対、私のことを守って。守り抜いてみせて」
「ああ、必ず守り抜いてみせる」
「……うん」
今度こそ、お前を必ず守り抜いてみせる。 もちろん、人間と吸血鬼が上手く行くなんて思ってない。
だけど……アイツは、俺のことを人間として好きになってくれた。
吸血鬼としてじゃなくて、一人の人間として好きになってくれたんだ。
わかっている。 こんな恋、最初からうまく行く訳はないとわかっている。
だけど吸血鬼なのに俺を怖がることもなく、人間と同じように普通に接してくれるアイツに、俺はどんどん惹かれていった。
気がついたら、どうしようもないくらい、好きになっていた。
初めてアイツを抱いた日、アイツは俺が好きだと、そう言ってくれた。
真琴は俺の背中にしがみついて、たくさん温もりをくれた。
あんなにも、幸せだと思ったことはなかった。 アイツだって本当は、ちゃんとした人間と付き合いたかったと思う。
だけど………俺がいいと、俺じゃなきゃダメだと、そう言ってくれた。
だから俺も、アイツじゃなきゃダメなんだと実感した。
アイツ以外に、考えられなかった。 真琴はこんなにも愛おしいと思わせてくれる、俺の大切な人なんだ。
「真琴……」
真琴は絶対に、俺の手で取り戻す。 アイツなんかに、絶対に渡さない。
この命をかけてでも、俺は真琴を守り抜く。 生きて必ずーーー。



