【完結】俺様吸血鬼(ヴァンパイア)との甘い恋



 正直、 どうするべきなのかは分からない。
 悔しさと後悔、そして恐怖を前に、ただ立ちすくむしかなかった。

「お前はコイツのこんな姿を見ても、まだ桜木ユズルを好きだと言えるか?」

「………」

 その問いかけに、私はなぜか答えることができなかった。

「どうなんだい、子猫ちゃん。答えてみな」

「……ねえ、アンタの望みは私なんでしょ?……だったら言うこと聞くって言ってるんだから、桜木にはもう手出しする必要はないでしょ? お願いだから、桜木をもうこんなに痛め付けるのはやめて」

 私がそうお願いすると、男は「……分かった。いいだろう。桜木ユズルには手出ししないと約束しよう」と言った。

「……だったら早く、桜木のことを開放して」

「分かった。いいだろう」

 私は桜木の体を縛っているロープをゆっくりと解く。

「桜木……しっかりして。もう大丈夫だからね。こんなにも傷付けさせて……ごめん」

 私はグッタリした桜木の体を、優しく抱きしめた。
 するとかすかに、桜木の体が震える。

「……お前……なんで、あんなこと……」

「大丈夫だよ。必ず私もここから出る。……だから、心配しないで」

「ま、こと……ごめん……っ」

 桜木の頭を撫でると、桜木は意識を失ってしまったーーー。