「え……?」
アイツって……桜木のこと? まさか、桜木がここに……?
「どうだ?俺の女になる気になったろ?」
「いい加減にしてよ! アンタの女になるくらいなら、死んだほうがマシよ!」
「……なんだと?」
私は男に「命令だかなんだか知らないけど、私は絶対にアンタの女になんてならない! 思い通りになんて、させない!」と叫んだ。
「ほう……。それじゃ、あの男がどうなってもいいっていうのか?」
桜木を使って私を脅すつもりなんだ、この男は……。なんて卑怯なの。
「……やれるもんなら、やってみなさいよ。私のことは殺したきゃ殺せばいい。……ただし、その時はアンタもただじゃ済まさない」
「ふん……本当に威勢のいい女だ。 ますます気に入ったよ」
「はあ?何言ってんの……?」
男は私にもう一度キスすると「ますます、君が欲しくなった」と怪しく微笑んだ。
「……いい加減にして! なんなの、さっきから」
その眼はまるで……。私をわざと挑発してるみたいに感じた。
「言ったろ、これは命令だ。 お前はもう俺から逃げることはできないよ?」
「アンタ……なに訳の分からないこと言ってんの……?」
男は私に「この部屋はお前の部屋だ。……俺とお前の、二人だけの空間だ。いいだろ?」と言った。
その言葉を聞いた瞬間に、体がゾクッとした。 その頬に触れられる度に、ゾクッとして鳥肌が立つ。
「……お願いだから、ここから出して」
「ダメだ」
「どうして……? 私人間よ?吸血鬼じゃない! なのになんでそんなことするのよ!?」



