「……えっ!? なにこれっ……?!」
両手を縛られているせいで、まともに動けない。
それどころか、ベッドがあるだけで他にはなにもない。
私のスマホ、カバン、財布、何にもなかった。 そしてそこには私以外に誰もいない。
「ちょっと!なんなのよこれ!? どういうことっ……!?」
大声を出しても誰も来ない。 シーンと静まり返ったこの部屋の中は、防音になっていて、外には声が聞こえないようになっていた。
「誰か!誰か助けて……! ねぇお願い!ここから出して……!!」
叫んでみても、当然防音なのだから聞こえるわけがない。
どうしよう……。どうしたらいい?
ここはどこなの……? なんとかしてここから逃げなきなゃ……!
そしてその時、ガチャっと部屋のドアが空いた。
「誰っ!?……っ!?」
「お、お目覚めかい?」
私はその声の主を見て、言葉を失った。
「アンタ……あの時の……」
それは紛れもなく、あの時私を拉致して変な血を飲ませて殺そうとした、あの吸血鬼だった。
「覚えててくれて、嬉しいな。会いたかったよ、子猫ちゃん」
「アンタ……なんでここに!? 私をどうするつもり!? 早くここから出しなさいよ!」
男は「フッ……相変わらず威勢のいい女だ。 まあそういうところ、キライじゃないけどね」と怪しく微笑んでいる。
男は私に近づいてきて、私の頬を撫でる。
「やめて……触らないでっ!」
「そういうところもかわいいね、子猫ちゃん」
「私はアンタの子猫ちゃんじゃない!」



