「……協力? 協力って、なんだよ……?」

 一体、何に協力しろと言うんだ……?

「人間をこの世から消し去るのよ。……この世界全てを、吸血鬼だけの世界にするの」

「……っ!? お前、何言ってんだ……?」
  
 吸血鬼だけの世界にする……だと? 正気か?

「あら、あなただって吸血鬼だもの。人間がいたらこの世界に住むことが出来ないってことくらい……分かっているわよね?」

 そう言って女は、俺のアゴをクイッと引き寄せて、顔を近づけてくる。

「やめろ……俺に近寄るな!」

 クッソ……。この甘ったるいニオイがクラクラする。

「ますますいい男。 あなたの彼女が、羨ましいくらいにね?」

「……っ!? お前、アイツに何かしたのか?!」

 真琴に今度は何をしようとしてるんだ……。

「あなたの彼女……そう、真琴って言ったっけ? あの子、本当に目障りなのよねえ?」

 目障り……だと?

「……てめぇ、アイツに何かしたら俺が許さねぇからな」

「やぁだぁ。ムキになっちゃって……。そんなに怒らなくても、今ばまだ゙何もしないわよ?」

「まだ……?」

 それは、どういう意味だ……?

「そう。ウチのボスが、あなたの彼女気に入ったみたいなの。 ボスがあなたをまだ生かしてる理由は、あの子を゙手に入れる゙ためよ」

「……は?何言ってんだよ……」

 手に入れるため……だと?

「まだわからない?……要するに、あなたを殺す前に、あの子を自分のモノにするのがボスの狙いってことよ。 覚えておきなさい」