紅茶を渡してくれた桜木は、テーブルに紅茶を置くと「なあ、真琴」と私を見る。

「なに?」

「……好きだ」

 桜木は私を抱きしめる。

「桜木、どうしたの……?」

 急に好きだと言われて、ドキドキしてしまう。 こういうとこ、ずるいよね……。

「これからもずっと、俺のそばにいてくれ」

「……うん」

「真琴、大好きだー!」

「わっ!? ちょっと……!」

 抱きついてくる桜木の背中を掴んで、ぎゅっとした。
 そのまま二人でベッドに横たわり、たくさんキスをした。

「……ん、さく、らぎ……」

 制服のリボンが外され、ブラウスに手がかかった時だった。
 ピーンポーンと、インターホンが鳴った。 私たちは急いでベッドから起き上がる。

「悪い。出てくる」

 はぁ………びっくりした! タイミング悪いって……。
 とりあえず、制服のリボンを直す。

「なんか荷物届いてた」

「荷物?誰から?」

 そう聞くと桜木は「それが……差出人は不明だ」と答えた。

「え……?」

 差出人不明……? それを聞いて、なんだかイヤな予感がした。 
 なんかとてつもなく、イヤな予感が……。

「とりあえず、開けてみるか」

「うん……気をつけて」

 桜木は慎重に差出人不明の荷物を開封した。

「……なんだ、これ」

 私もその荷物の中を確認した。

「な、なにこれ……?」

「……血?」

「誰の……血?」

「いや、分からない」

「なんで、こんなものが……?」

 これ、なに……? もしかして、ヴァンパイアの血……?
 謎は残るばかりだった。なんのために送ってきたのか、なんの目的があってこんなものを送り付けて来たのか。