俺は向こうの友達に解毒剤を頼んだ。 なんとか、真琴を助けたい……。

「桜木……ケガ、してる」

「こんなもん、大したことねえ。 それよりお前の傷の手当しねえと」

 真琴のこの痛々しい傷を見る度に、胸が痛む。

「真琴、しっかり捕まってろよ」 

「うん……」

 俺は真琴をおぶって、家まで運んだ。


✱ ✱ ✱


「大丈夫か……?」

 真琴をベッドに横に寝かせる。

「うん……大丈夫」

 真琴は辛そうに微笑んだ。

「お前……本当に、無茶しすぎだろ。 死ぬかと思ったんだぞ」

「ごめん……。でも、桜木がきっと来てくれると信じてたから、頑張れたよ」

 真琴が無茶をすることを、俺はわかっていた。
 
 だけどそんなのが嬉しいだなんて思う自分もいて、おかしいと思う。

「……バカか。 お前が死んだら、俺は一人になるだろ」

「ごめん……もう無茶はしないから」

「ああ。……でも、無事でよかった」

 桜木は私の手を握り、「桜木……守るって約束、果たしてくれてありがとう」と微笑んだ。

「……俺の方こそ、ありがとうな。信じてくれて」

「……うん」
 
 俺は真琴に優しくキスを落とす。

「桜木……大好きだよ」

「俺だって……大好きに決まってるだろ」

 俺は真琴のことを幸せにしてやりたい。本当にそう思う。

「ほら……無茶したんだから、大人しく寝とけ」

「うん、ありがとう」

 真琴に布団を掛けてしばらくすると、真琴は眠りに落ちた。