【完結】俺様吸血鬼(ヴァンパイア)との甘い恋



「っ……ん……?」

 うっすら目を開けると、そこは真っ暗で何もない、場所だった。
 え……ここ、どこ? なんで私は、ここに……? 

「……っ!?」

 思い出した……。誰かに後ろから口を塞がれて、それで……。

「ん、んんっ……!?」

 なにこれ……。
 口はガムテープで塞がれて、椅子に座らされて、あげく両手は体ごとロープに巻きつけられていた。
 抵抗を試みてみたけど、びくともしない。

「んー……んーっ!!!」

 助けて誰か……桜木!!助けて……!!

 体が思うように動かなくて、恐怖だけが募っていく。

「……お、目が覚めたみたいだな」

 そして誰かの声がする。 でも、誰……?

「んんっ!……ちょっと、なによこれ!」

 ガムテープを剥がされると私はすぐにそう叫んだ。

「これほどいてよ!!」

「わーわーわめくな。 大人しくしねーと……殺すぞ」

「……っ!?」

 目の前には血のついたナイフがあった。 だめだ、下手に抵抗できない。
 抵抗したら、その時は本当に、殺される……。

「よーし、いい子だ。そのまま黙って俺の言うことを聞けばいいんだ」

「一体、なにが目的なの? なんで、こんなこと……。ていうか、アンタ誰……?」

「お前には囮になってもらう。 名前など名乗る必要はない」

「お、とり……?」

 どういうこと……? 囮ってなに?

「そうだ。ヤツを誘き出すエサにする」

「え、さ……?」

 どういう、こと……? エサって……なんなの?