そこからだ。銀華がゲームにのめり込んだのは。僕は嬉しいと思いながらも、銀華は学校の友達にはこのことを秘密にしていて。


ちょっとショックを受けたけど楽しかった。銀華と2人でゲーマーを目指すことになったのは中学の頃。


2人してサバイバルゲームにハマり、チームとして初めて大会に参加することに。するとそこそこいい成績を収めた。


小さな大会だったけど興奮したのを覚えている。それで、こうして毎日のように通信しながら一緒にゲームをしていた。


銀華とゲームをするのは楽しくて。その時だけ、銀華を独り占めできて。同じ世界に入り込めたような気がして嬉しかった。


……だけど。


銀華は突然変わった。


高校は同じところに行くことが決まった。入学式の日。銀華は元々黒かった髪を金髪に染めた。そして耳にはピアスを開けて。


見た目は完全に“ヤンキー”だった。


どうしたのか尋ねても僕を無視。それから学校生活も僕とはあまり関わらなくなって。少なからずショックは受けた。


……でも、ゲームをすることはやめなくて。その時だけ銀華は優しかった。1年たって、高校2年生になった今でも理由は分からない。


ヤンキーの見た目で態度も悪いけどケンカはしない。なんの心境の変化は分からないけど、銀華と過ごせる時間があるから、僕はそれで幸せ。