その声にビクッとしたけど平静を装ってぼそっとつぶやく。銀華はとにかく距離が近い。


サラサラと手入れされた金髪を揺らしながら気だるげそうにこちらを見る。この時間僕が寝ていることを知っていながら時々イタズラしにくる。


……今日はなんなんだよ。こっちの気も知らないで近づくな。



「別にいーだろ。どうせゲームのし過ぎで寝不足だろ?つーか、そんなことより今日提出のプリント。担任の小林に渡しといて」


「はぁ!?なんで僕が渡さなきゃいけないんだよ。銀華が行けよ」



ぎろっと睨んでいると銀華は1枚のプリントを出す。それを僕に押し付けるとめんどくさい用事を押し付けてきた。


その行動に呆れたため息しか出てこない。


僕はクラス委員でもないし、ましてや小林の教科担当でもない。自分の提出するプリントくらい自分で持ってけよ。



「ごちゃごちゃ言ってねーで持ってけ。俺小林嫌いだから。幼なじみだろ?」



そんな僕を見ながらニヤリと笑う銀華。


その笑顔がムカつくやらなんやらで。怒りを通り越して、もう何も思わなくなった。


とことんマイペースな銀華は人を使うのが上手い。幼なじみだろうがなんだろうが誰かれ構わずパシリに使う。