翔太が静養している間、悠斗は音源データを繰り返し聴きながら、書きかけの歌詞を仕上げていった。悠斗は改めて翔太の凄さを実感した。
そして、校内でも学園祭の準備が進む中で、いつもの屋上でご飯を食べていると、屋上の扉が開いた。そこには、翔太が立っていた。悠斗は思わず弁当箱を落としそうになった。悠斗は驚き、目を大きく見開いた。
「ひ、久し振り」
「そ、そうだね。体調はもう大丈夫なの?」
「あぁ、もう大丈夫だ。隣、いいか?」
悠斗はコクリと頷いた。そうすると、翔太が自分の隣にドカッと座ってきた。そして、唐突に質問してきた。
「お前は将来の夢とかあるのか?」
「うーん、突然聞かれても……。強いて言うなら、僕は音楽を続けていきたい。いつか自分の曲をたくさんの人に聴いてもらいたいかな」
「それは素敵な夢だな。俺も応援する」
「ありがとう。翔太君はどう? 何か夢はあるの?」
悠斗が尋ねると、翔太は少し考えてから答えた。
「俺はいつか自分で作った曲をステージ上で歌いたい」
「なんか僕たち、似てるね」
二人はお互いの夢を語り合いながら、今まで以上に心の距離を縮めていった。
翔太がふと悠斗の手を握り、真剣な眼差しで見つめてきた。
「お前といると幸せな気分になる」
悠斗は驚きながらも、翔太の手を優しく握り返す。
「僕も翔太君と一緒にいると幸せな気分になる」
翔太の大きな手は温かく、心地良かった。悠斗が思わず照れ笑いをすると、翔太は何か言いたげな様子だった。悠斗は尋ねようとしたら、翔太が頭をくしゃくしゃと撫でてきた。
*
それから、学園祭までの間はスタジオを借りて、歌割りの最終確認をし、歌合わせをしっかりと行なった。
学園祭の前日、二人は最後のリハーサルを行った。リハーサル室には緊張感が漂っていたが、二人はお互いを信じて練習に励んだ。
「明日が本番か。お前は緊張するか?」
「少しだけ。でも、翔太君が一緒だから大丈夫」
「お前と一緒なら、どんなステージでも乗り越えられそうだ」
二人は互いの顔を見て、拳を突き合わせた。
*
学園祭当日の午後、二人は講堂のステージ裏で準備をしていた。二人の心は緊張と期待でいっぱいだったが、お互いを信じてステージに立つ決意を固める。
「準備はいいか?」
「うん、大丈夫。緊張するけど、今日まで頑張ってきたんだから、その成果を出せたらいいな」
悠斗は微笑みながら答えた。
ステージに上がると、観客の歓声が二人を迎えた。二人は目を合わせ、深呼吸をする。そして、スタートの合図を送り、曲が始まる。
音色が静かに響き渡り、二人の歌声がそれに重なる。二人の息はぴったりと合い、観客はその美しいハーモニーにうっとりとしていた。最後の音が響き渡ると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
二人はステージを降り、観客の歓声を背にしながら、その場を後にする。出店や出し物を一緒に見て回った。二人で歩いていると、ヒソヒソと話す声や視線を感じたが、今は翔太が隣にいるだけで十分幸せで、他人の目なんてどうでもよかった。そして、日が傾き、後夜祭準備のアナウンスが流れた。周りは慌ただしく片付けをしていたが、二人は誰かに見つからないように、いつもの音楽室へ向かった。悠斗たちは音楽室に着くと、ピアノがある近くの窓を開ける。少しひんやりとする風が通り抜け、カーテンが揺れる。校庭からは後夜祭の準備に追われる生徒たちの声が聞こえる。
「お前と一緒に歌えて良かった」
「僕も。翔太君と一緒に歌えて本当に良かった。貴重な経験が出来たよ。ありがとう」
二人並んで、黙ったまま、外を眺めていると、翔太が緊張した口調で話しかけてきた。
「お前に伝えたいことがある」
「何?」
「俺はお前のことが好きだ」
悠斗は驚き、翔太の顔を思わず見た。翔太は頬を赤くしていた。それが感染したかのように、悠斗も頬を赤くする。そして、胸が高鳴り、思わず手で押さえた。
「……僕も翔太君のことが好きだよ。今のドキドキは『好き』のドキドキかも」
「俺も『好き』のドキドキ。ほら、触って?」
翔太が悠斗の手を取り、自分の胸に当てる。そして、悠斗はジリジリと壁際に追いやられる。翔太が風で靡くカーテンを掴み、ぐるりと自分たちを包み込む。
そして、翔太が悠斗の顎に手を添え、少し持ち上げる。悠斗はぎこちなさそうに翔太の顔を見上げる。
「なぁ。……して、いい?」
翔太の甘く低い声に、悠斗は翔太の制服をキュッと握り締める。そして、悠斗の震える唇に翔太の唇が重なる。小鳥がついばむように、何度も唇を重ねた。
翔太は悠斗から唇を離すと満足したのか、悠斗を抱き寄せ、頭を優しく撫でてくれた。悠斗はキスだけでも溶けそうなのに、翔太の熱い抱擁に腰が抜けそうだった。
「あぁ、本当に好きだ」
「なんかこういうの無縁だったから、すっごく恥ずかしい。キ、キスだって……初めて、したし」
「もう一回していいか?」
「えっ! ……うん、べ、別にいいけど」
二人はお互いの気持ちを確かめ合いながら、再びキスをする。二人の心には、新たな未来への希望に満ち溢れていた。
そして、校内でも学園祭の準備が進む中で、いつもの屋上でご飯を食べていると、屋上の扉が開いた。そこには、翔太が立っていた。悠斗は思わず弁当箱を落としそうになった。悠斗は驚き、目を大きく見開いた。
「ひ、久し振り」
「そ、そうだね。体調はもう大丈夫なの?」
「あぁ、もう大丈夫だ。隣、いいか?」
悠斗はコクリと頷いた。そうすると、翔太が自分の隣にドカッと座ってきた。そして、唐突に質問してきた。
「お前は将来の夢とかあるのか?」
「うーん、突然聞かれても……。強いて言うなら、僕は音楽を続けていきたい。いつか自分の曲をたくさんの人に聴いてもらいたいかな」
「それは素敵な夢だな。俺も応援する」
「ありがとう。翔太君はどう? 何か夢はあるの?」
悠斗が尋ねると、翔太は少し考えてから答えた。
「俺はいつか自分で作った曲をステージ上で歌いたい」
「なんか僕たち、似てるね」
二人はお互いの夢を語り合いながら、今まで以上に心の距離を縮めていった。
翔太がふと悠斗の手を握り、真剣な眼差しで見つめてきた。
「お前といると幸せな気分になる」
悠斗は驚きながらも、翔太の手を優しく握り返す。
「僕も翔太君と一緒にいると幸せな気分になる」
翔太の大きな手は温かく、心地良かった。悠斗が思わず照れ笑いをすると、翔太は何か言いたげな様子だった。悠斗は尋ねようとしたら、翔太が頭をくしゃくしゃと撫でてきた。
*
それから、学園祭までの間はスタジオを借りて、歌割りの最終確認をし、歌合わせをしっかりと行なった。
学園祭の前日、二人は最後のリハーサルを行った。リハーサル室には緊張感が漂っていたが、二人はお互いを信じて練習に励んだ。
「明日が本番か。お前は緊張するか?」
「少しだけ。でも、翔太君が一緒だから大丈夫」
「お前と一緒なら、どんなステージでも乗り越えられそうだ」
二人は互いの顔を見て、拳を突き合わせた。
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学園祭当日の午後、二人は講堂のステージ裏で準備をしていた。二人の心は緊張と期待でいっぱいだったが、お互いを信じてステージに立つ決意を固める。
「準備はいいか?」
「うん、大丈夫。緊張するけど、今日まで頑張ってきたんだから、その成果を出せたらいいな」
悠斗は微笑みながら答えた。
ステージに上がると、観客の歓声が二人を迎えた。二人は目を合わせ、深呼吸をする。そして、スタートの合図を送り、曲が始まる。
音色が静かに響き渡り、二人の歌声がそれに重なる。二人の息はぴったりと合い、観客はその美しいハーモニーにうっとりとしていた。最後の音が響き渡ると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
二人はステージを降り、観客の歓声を背にしながら、その場を後にする。出店や出し物を一緒に見て回った。二人で歩いていると、ヒソヒソと話す声や視線を感じたが、今は翔太が隣にいるだけで十分幸せで、他人の目なんてどうでもよかった。そして、日が傾き、後夜祭準備のアナウンスが流れた。周りは慌ただしく片付けをしていたが、二人は誰かに見つからないように、いつもの音楽室へ向かった。悠斗たちは音楽室に着くと、ピアノがある近くの窓を開ける。少しひんやりとする風が通り抜け、カーテンが揺れる。校庭からは後夜祭の準備に追われる生徒たちの声が聞こえる。
「お前と一緒に歌えて良かった」
「僕も。翔太君と一緒に歌えて本当に良かった。貴重な経験が出来たよ。ありがとう」
二人並んで、黙ったまま、外を眺めていると、翔太が緊張した口調で話しかけてきた。
「お前に伝えたいことがある」
「何?」
「俺はお前のことが好きだ」
悠斗は驚き、翔太の顔を思わず見た。翔太は頬を赤くしていた。それが感染したかのように、悠斗も頬を赤くする。そして、胸が高鳴り、思わず手で押さえた。
「……僕も翔太君のことが好きだよ。今のドキドキは『好き』のドキドキかも」
「俺も『好き』のドキドキ。ほら、触って?」
翔太が悠斗の手を取り、自分の胸に当てる。そして、悠斗はジリジリと壁際に追いやられる。翔太が風で靡くカーテンを掴み、ぐるりと自分たちを包み込む。
そして、翔太が悠斗の顎に手を添え、少し持ち上げる。悠斗はぎこちなさそうに翔太の顔を見上げる。
「なぁ。……して、いい?」
翔太の甘く低い声に、悠斗は翔太の制服をキュッと握り締める。そして、悠斗の震える唇に翔太の唇が重なる。小鳥がついばむように、何度も唇を重ねた。
翔太は悠斗から唇を離すと満足したのか、悠斗を抱き寄せ、頭を優しく撫でてくれた。悠斗はキスだけでも溶けそうなのに、翔太の熱い抱擁に腰が抜けそうだった。
「あぁ、本当に好きだ」
「なんかこういうの無縁だったから、すっごく恥ずかしい。キ、キスだって……初めて、したし」
「もう一回していいか?」
「えっ! ……うん、べ、別にいいけど」
二人はお互いの気持ちを確かめ合いながら、再びキスをする。二人の心には、新たな未来への希望に満ち溢れていた。