声にならない声を胸の内にしまって、静かにホームルームのチャイムがなるのを待った。



『それじゃあ、日直号令!』

 担任の若林の太い声が、教室に広がる。今日も、なんの変哲のない、普段通りの授業を終わらせ、帰りのホームルームの号令がかかる。

『起立!礼。さようなら』

 号令と共に、みんなが各々動く。友達や先生と話す生徒、教室を颯爽と後にする生徒