一緒に過ごしたかった。

ただそれだけだったけど、ひとつしか叶わない。

耳下で綺麗に整えられた髪を煽るように風が、病室に入ってくる。

髪の間から見えた君の顔は、寂しそうに微笑んでいた。

神様は、意地悪だ。
だけど、ふたつも叶えてくれた。
だから


もう、いいの。


────幸せだったから。