朝、目が覚めると知らない天井だった。
「そんな寝ぼけたこと言ってないで早く起きてください」
「ええと、ここは俺の部屋のはずだが」
まだスッキリとしていない、ボサボサとした頭をかきながら思考を巡らせる。
「メイドなのですから起こしに来るのは当然でしょう。それに昔から私が起こしてますよね? 」
それはそうなんだが。
確かにいつも、というか毎日リーナに起こしてもらっていた。だけど今までとは違う状況なのだ。
「領主になったからカッコつけたいとかそんな感じですか」
違う、違うんだ。
「じゃあなんですか」
「なんで俺のベットん中に一緒に潜り込んでんの? 」
「五回起こそうとしましたが、頑なに目を覚まさないので、仕事だけ済ませてから私も一緒に寝させてもらいました」
「一緒に寝させてもらいましたってお前……こんな場面トメリルに見られでもしたらなんて思われるか」
「その心配は不要ですよ」
はて? なんでそうキッパリと言い切れるんだ? 疑問に思って聞こうとしたが、するりとベットから抜け出したリーナは、
「朝食の準備は済ませてますので身支度が出来次第、おいでください。私はトメリルさんを起こしに行ってまいります」
と部屋を出ていってしまった。
身支度を済ませて食堂に向かい、リーナお手製の朝食に舌鼓を打った。トメリルは出来栄え、そして味に驚いてた。
今日の朝食は二枚のパンにハムエッグをサンドしたものだった。
トメリルは、「こんなにも美味しいハムエッグは初めてです!! これなら毎日食べても飽きませんし、お腹もふくれます」と大絶賛していて、リーナも満更でも無さそうだった。なんならドヤ顔だった。
朝食後はちょっとした休憩時間ということで、各々休むことになっていたので、一度自分の部屋に戻った。
しかしそこで食堂に忘れ物をした事に気づき、とんぼがえり。
食堂では食べ終わった皿を洗おうとしているリーナの姿があり、声をかけた。
「休憩時間だし後でいいぞ。一旦お前も休め」
「いえしかし、やりきってしまわないとなにかむず痒いというか……」
そうだった、この子完璧メイドだった。
「なぁリーナ、メイドの仕事を好きでやってるのは俺も知ってる。だけど流石にこのだだっ広い屋敷全部をお前に丸投げするのは違うと思うんだ」
「メイドを増やす……ということでしょうか? 」
「あーそれも考えたんだが、ひとまずは、直近では使わない部屋も多いだろうし、慣れない環境になったっていうのに、初めましての人材を更に増やしてストレスになってもいけないと思ってな。まだ増やさないよ」
「ではどうするのですか? 」
「ふっふっふ、俺は錬金術師だぞ? 」
俺がそう言うと、はっ!とした様子でこちらを見る。
「ま、まさかあの皿洗いゴーレムですか!? 」
「そうそれ! 」
王国にいた時の話だが、メイドはかなりの人数居た。
かなりの人数とはいっても、仕事が大変なことには変わりない。
朝から晩まで家事全般から庭仕事まで色々。
自分たちのために精一杯働いてくれているメイドたちの仕事を少しでも減らして楽が出来たらなの一心で俺は、錬金術でとあるモノを作り上げた。
それがリーナからも出た【皿洗いゴーレム】。
錬金術を発動させると、形が形成されていき、木製の可愛らしいゆるキャラが現れる。
「よし、【皿洗いゴーレム】! お前は今日からこのキッチンの皿洗い担当だ。頼んだぜ」
俺の言葉にゴーレムはらじゃ!と敬礼すると、早速皿を洗い始めた。
その光景を傍で見ていたリーナは懐かしそうな表情を浮かべていたのであった。
こんなんでメイドたちの負担が軽減されたかは分からないが、皆感謝してくれたし、作った自分としても笑顔でお礼を言いに来てくれて、嬉しかった。
「そーいやこれも、父上たちは褒めてくれなかったなぁ」
「あの方たちはレン様を意地でも認めようとしませんでしたもんね。そのせいでレン様はお気づきじゃないかも知れませんが、レン様が作成したモノや魔道具などは全部、使い手への気遣いが篭っていて、使い手は皆喜んでいたのですよ」
「いやいやそれは買い被りすぎだ。案外皆スクラップにしてるかもしれないぞ」
昔作ったモノの中には、今じゃ到底満足出来ない出来栄えのモノだってかなりあるはず。それを全員が全員喜んで使っていたとは考えにくい。
「なんでレン様はこうなるんですかね……親や兄弟があの方たちで無ければ、少しは自信があったでしょうに」
こう話してるうちにも、皿洗いゴーレムは全ての皿を洗い終えていた。
「ほんとどんな仕組みなんですかこれ。このゴーレムだけでも他の錬金術師やゴーレム使いは目ひん剥いて驚きますよ、この光景目にしたら」
「こんくらいだったら少し練習すれば誰でも出来るようになるよ。俺がそうだったんだから」
「だからレン様はそこらとは違う天才だと何回も言ってますよね!? 普通出来ませんから! 」
「いや出来るってー」
言い争っていると、騒ぎがとメリルの部屋にまで聞こえたのか食堂にやってきていた。
「どうされたのですかーーーってなにこれ!? 」
「こいつは皿洗いゴーレムだ。見ての通り皿洗いと、洗い終わった皿を乾かして、水滴をふき取って棚に収納までしてくれる」
「万能すぎませんか!? ゴーレムにそこまで出来るんですか!? そんな細かい命令組めるんですか!? というかゴーレム使いでもあったんですか!? 」
「俺はゴーレム使いじゃなくて、ただの錬金術師」
「錬金術師ってここまで出来ちゃうんですか……初耳ですよ! 」
「トメリルさん、惑わされては行けません。レン様が天才過ぎるが故に為せるだけであって、そこらの錬金術師は到底不可能です。もう一度言います。レン様が天才なだけです」
「そ、そうですよねリーナさん!! 普通無理ですもんね!? レン様が天才なんですね! 早速領民の皆にもこの件を伝えないと! 」
「いやぁ、照れるなぁ。お世辞でも嬉しいよ。二人ともありがとう」
「「ですからお世辞ではありません!! 」」
「そんな寝ぼけたこと言ってないで早く起きてください」
「ええと、ここは俺の部屋のはずだが」
まだスッキリとしていない、ボサボサとした頭をかきながら思考を巡らせる。
「メイドなのですから起こしに来るのは当然でしょう。それに昔から私が起こしてますよね? 」
それはそうなんだが。
確かにいつも、というか毎日リーナに起こしてもらっていた。だけど今までとは違う状況なのだ。
「領主になったからカッコつけたいとかそんな感じですか」
違う、違うんだ。
「じゃあなんですか」
「なんで俺のベットん中に一緒に潜り込んでんの? 」
「五回起こそうとしましたが、頑なに目を覚まさないので、仕事だけ済ませてから私も一緒に寝させてもらいました」
「一緒に寝させてもらいましたってお前……こんな場面トメリルに見られでもしたらなんて思われるか」
「その心配は不要ですよ」
はて? なんでそうキッパリと言い切れるんだ? 疑問に思って聞こうとしたが、するりとベットから抜け出したリーナは、
「朝食の準備は済ませてますので身支度が出来次第、おいでください。私はトメリルさんを起こしに行ってまいります」
と部屋を出ていってしまった。
身支度を済ませて食堂に向かい、リーナお手製の朝食に舌鼓を打った。トメリルは出来栄え、そして味に驚いてた。
今日の朝食は二枚のパンにハムエッグをサンドしたものだった。
トメリルは、「こんなにも美味しいハムエッグは初めてです!! これなら毎日食べても飽きませんし、お腹もふくれます」と大絶賛していて、リーナも満更でも無さそうだった。なんならドヤ顔だった。
朝食後はちょっとした休憩時間ということで、各々休むことになっていたので、一度自分の部屋に戻った。
しかしそこで食堂に忘れ物をした事に気づき、とんぼがえり。
食堂では食べ終わった皿を洗おうとしているリーナの姿があり、声をかけた。
「休憩時間だし後でいいぞ。一旦お前も休め」
「いえしかし、やりきってしまわないとなにかむず痒いというか……」
そうだった、この子完璧メイドだった。
「なぁリーナ、メイドの仕事を好きでやってるのは俺も知ってる。だけど流石にこのだだっ広い屋敷全部をお前に丸投げするのは違うと思うんだ」
「メイドを増やす……ということでしょうか? 」
「あーそれも考えたんだが、ひとまずは、直近では使わない部屋も多いだろうし、慣れない環境になったっていうのに、初めましての人材を更に増やしてストレスになってもいけないと思ってな。まだ増やさないよ」
「ではどうするのですか? 」
「ふっふっふ、俺は錬金術師だぞ? 」
俺がそう言うと、はっ!とした様子でこちらを見る。
「ま、まさかあの皿洗いゴーレムですか!? 」
「そうそれ! 」
王国にいた時の話だが、メイドはかなりの人数居た。
かなりの人数とはいっても、仕事が大変なことには変わりない。
朝から晩まで家事全般から庭仕事まで色々。
自分たちのために精一杯働いてくれているメイドたちの仕事を少しでも減らして楽が出来たらなの一心で俺は、錬金術でとあるモノを作り上げた。
それがリーナからも出た【皿洗いゴーレム】。
錬金術を発動させると、形が形成されていき、木製の可愛らしいゆるキャラが現れる。
「よし、【皿洗いゴーレム】! お前は今日からこのキッチンの皿洗い担当だ。頼んだぜ」
俺の言葉にゴーレムはらじゃ!と敬礼すると、早速皿を洗い始めた。
その光景を傍で見ていたリーナは懐かしそうな表情を浮かべていたのであった。
こんなんでメイドたちの負担が軽減されたかは分からないが、皆感謝してくれたし、作った自分としても笑顔でお礼を言いに来てくれて、嬉しかった。
「そーいやこれも、父上たちは褒めてくれなかったなぁ」
「あの方たちはレン様を意地でも認めようとしませんでしたもんね。そのせいでレン様はお気づきじゃないかも知れませんが、レン様が作成したモノや魔道具などは全部、使い手への気遣いが篭っていて、使い手は皆喜んでいたのですよ」
「いやいやそれは買い被りすぎだ。案外皆スクラップにしてるかもしれないぞ」
昔作ったモノの中には、今じゃ到底満足出来ない出来栄えのモノだってかなりあるはず。それを全員が全員喜んで使っていたとは考えにくい。
「なんでレン様はこうなるんですかね……親や兄弟があの方たちで無ければ、少しは自信があったでしょうに」
こう話してるうちにも、皿洗いゴーレムは全ての皿を洗い終えていた。
「ほんとどんな仕組みなんですかこれ。このゴーレムだけでも他の錬金術師やゴーレム使いは目ひん剥いて驚きますよ、この光景目にしたら」
「こんくらいだったら少し練習すれば誰でも出来るようになるよ。俺がそうだったんだから」
「だからレン様はそこらとは違う天才だと何回も言ってますよね!? 普通出来ませんから! 」
「いや出来るってー」
言い争っていると、騒ぎがとメリルの部屋にまで聞こえたのか食堂にやってきていた。
「どうされたのですかーーーってなにこれ!? 」
「こいつは皿洗いゴーレムだ。見ての通り皿洗いと、洗い終わった皿を乾かして、水滴をふき取って棚に収納までしてくれる」
「万能すぎませんか!? ゴーレムにそこまで出来るんですか!? そんな細かい命令組めるんですか!? というかゴーレム使いでもあったんですか!? 」
「俺はゴーレム使いじゃなくて、ただの錬金術師」
「錬金術師ってここまで出来ちゃうんですか……初耳ですよ! 」
「トメリルさん、惑わされては行けません。レン様が天才過ぎるが故に為せるだけであって、そこらの錬金術師は到底不可能です。もう一度言います。レン様が天才なだけです」
「そ、そうですよねリーナさん!! 普通無理ですもんね!? レン様が天才なんですね! 早速領民の皆にもこの件を伝えないと! 」
「いやぁ、照れるなぁ。お世辞でも嬉しいよ。二人ともありがとう」
「「ですからお世辞ではありません!! 」」