ヒロインがいない。 もう一度言おう。ヒロインがいない！！ 乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。 ※ざまぁ展開あり

　ブラック企業での仕事が続き、過労死によって異世界転生する事となった佐藤悠真（さとうゆうま）。 　転生する際に転生ギフトとして『絆を紡ぐ者』を獲得する。 　異世界の過酷な生活を想像していたユウマだったが、生まれた家は田舎でも裕福な生活を送っている家庭であり、心優しい母と父、兄に囲まれて何不自由なく自由に過ごす事となった。 　生まれてすぐに転生ギフト『絆を紡ぐ者』が発動する。その効果は深い愛情で繋がった相手のスキルを全て複写するというとんでもないスキルだった。 　しかし、このスキルで複写したスキルは『鑑定』には見えず、さらに十歳に訪れた『才能開花式』でも『才能なし』と判定される。 　『才能なし』『スキルなし』と鑑定されたユウマは、両親から過保護を受ける事となるのだが………… 「（ん……お母さんとお父さんが持つ全てのスキルを手に入れているし、もしかしたら二人よりも強いんだよな……はぁ……外で遊びたいな）」と思うユウマであった。 「（それにしてもうちの村の外って『魔王種』って魔物が沢山いるけど、村人達はどうしてあんなに簡単そうに倒しているんだ？　前世なら魔王といえばめちゃ強いイメージなんだが、異世界では実はめちゃくちゃ弱いとか？）」と勘違いするユウマであった。 　十五歳になるまでハチャメチャな田舎村で過ごしたユウマは兄と同じ道を歩むべく聖なる学園『セイクリッド』に入学するが、『才能なし』『スキルなし』と鑑定されＣクラスに入る事となった。 　生徒達から『スキル０（ゼロ）』と馬鹿にされる日々を送る事となったユウマの勘違い最強無双が幕を開ける。