外に出て、集会をした場所に立っているとガークがやってきて、声をかけてきた。
「レンこうやって話すのは久々だな!」
「おーガーク。確かに二人っきりで話すのはあの日以来か? 」
ガークが喧嘩ふっかけてきて、返り討ちにしたら認めてくれたやつ。
「トメリルはちゃんとやってるか? 」
「色んな仕事してくれてるし、リーナの補佐もやってくれてるから凄く助かってるよ。それに屋敷の皆とも仲良くやってくれてるよ」
やっぱこいつ根から良い奴なんだよな。すぐ友人を気遣えるし。
必然ではあるが、屋敷メンバーのうち、トメリル以外は嘔吐組のため、どうしても疎外感が生まれたりしないか心配だったが、誰とでもすぐ打ち解けて、楽しそうに毎日過ごしてる。
「ならよかったわ。そーいや、聖女様たちってレンを追ってやってきたんだろ? お前、人望ありすぎじゃね? 下手したら国王以上なんじゃねぇか? 」
「いやいや買い被りすぎだそれは」
「いつか王女様とかが、レンを追ってヘレクス領にやってきたなんて大イベイベントが起こっても、俺は驚かねぇからな? 」
「お、王女様って……お前なぁ」
「じょーだんだよ、じょーだん。流石のレンでも王女様との交流はねぇか。レンと同じで王女も何人か、えーと三人だっけ? いるっつーのは知ってるが、第三王女とかだったら交流あんのかなって思ったんだが。第一王女はなくとも」
「え? そりゃ三人とも交流あるぞ? 」
「はぁぁぁ!?!? いや、俺……冗談で言ったんだぞ!? は、ガチで!? 」
あのイカつい顔したガークがめちゃくちゃ驚いてて面白い。
「いや、そりゃ王族のパーティーとかあるからな。兄貴共はでしゃばって、ガツガツと王女様方にとりいっていってたが、俺はそういうのには興味がなくてな。食いもんと飲み物だけ楽しんでた」
「なんだ、びっくりさせんなよ。ただパーティーであったことがあるだけかよ。じゃあ話したりとかもしてないんだろ? 」
「んや? 周囲や兄貴共がべちゃくちゃ喋りながらダンスとかなんならしてる中俺だけぼっちで飯食ってるのを、不憫に思ったのか、はたまた哀れに思ったからなのかは知らないけど、第三王女……クレシアが話しかけてきたんだ」
「王族や貴族のパーティーなんて見たことねぇから想像でしかないが、確かに一人、ぽつんと飯食ってるやつがいたら、浮くわな。それで話しかけようとするクレシア様もすげぇが」
「ガーク!! 」
「あん? どうした!? 」
「ガーク、ガークが人の名前に様を付けた!? お前本当にガークなのか!? 俺の知ってるガークじゃないぞ!!! 」
「アホか!? 王女様まで呼び捨てにはしねぇよ!!! 流石にそこは弁えてるぞ」
「これは驚いた。様を付けるにしても本人の目の前だけかと思ってた」
「レン、一回シバいていいか? 」
「やれるもんなら? 」
「さーせんした! 」
こんなやり取りが続いてーーー
「ーーーと、こんな感じてクレシアと仲良くなった俺は、クレシアからの紹介で第一王女と第二王女とも仲良くなったんだ」
「あんだけ俺に言っといてレンは呼び捨てなのかよ」
「俺も最初は様付けてたけど本人たちが様付けやめろ、名前で呼べ、差もなくば拉致るぞと脅されたから渋々な……」
「話聞いてて思ったんだが、王女様に気に入られたから、お前への妬みが増幅して行ったんじゃねぇか? 」
なるほどねぇ……。有り得ない話ではないな。
しかし王女三人に気に入られたところで、なんになるんだって話だよな。
綺麗だったり可愛い王女たちを嫁にして自慢したいとかそんなところ?
あいつらならそんな下な思惑しかなさそう、うん。
「レンがそれ言うか? 7人も女はべらせといて」
呆れたように言ってくるガーク。
「おまっ、はべらせるって何言ってんだ。あいつらはただ友達として仲良くしてくれてるだけだと思うんだが」
「レンは女心が分からんのだな」
またでた女心!
リーナとかトメリルとかトゥーンちゃんも言ってた気がする。なんなのだろう、女心って。
そういう疑問に答えてくれるナビゲーターガイドみたいなの後で作ってみようかな。
「はーこりゃあいつ苦労しそうだな。友達として言っといてやるが、ソレ、言われたら全員ショック受けるだろうから絶対言うなよ」
「お、おう」
「話は戻るが王女様方に気に入られたって言ってたよな? 俺はレンを追ってここに王女様が来ても驚かないからな」
「いやいや、流石に王女が俺の後を追ってくるなんてことは無いだろ……」
無いよな……?
「というかこれ以上は誰も俺関連では来ないんじゃないかなぁ」
「んなことねぇだろ。って引き止めて悪かったな。そーいやなんでこんなとこに突っ立ってたんだ」
「ん? ここに皆が気安く集まれるように広場を作ろうと思ってな」
「俺がボコボコにされた場所が皆でキャッキャの広場になんのか」
「……そ、そうだな」
俺としてはただ広いってのと、集会所がスグそこってのを鑑みてここに決めただけだったのだが、そういえばガークと決闘したのここだったな。なんかもう懐かしく感じる。
「俺も手伝うぜ」
「え、いいのか? 」
「あたりめーだろ。てかそんな大掛かりなことすんのに一人でやるつもりだったのか? 」
「うーんだって数十分もあれば完成するし」
「数十分って……まぁレンだからそうか」
「なんだよその納得の仕方」
「ここの領主様はすげぇからな」
「買いかぶりすぎだ。けど、手伝ってくれるのはありがたい」
「一人より、二人でやった方が早く終わるだろ? お前は早く屋敷に帰ってあいつらと談笑したり遊んだりするのも仕事だ。早く帰ってやれ」
「ガーク……」
「あ? なんだよお前ほんといいやつだな。あの時では考えられないわ」
「一言多いんだよ一言。うっし、やるぞ。何をしたらいい? 」
「そっからここをこうしてだな」
ーーー30分後。
「「完成ー!!! 」」
額についた汗を拭い、お互い近くに歩み寄るとハイタッチをする。
「想定より早く終わったな。これもガークが手伝ってくれたおかげだ」
「ほとんどレンがやったけどな。俺はちょっと手伝っただけだ」
木材のイスやテーブルを何台かおいて、領民が座って談笑したりできるようにした。外だと日光に照らされて、夏は暑くなってしまうのでテントを貼って日差しを少しでも遮れるようにした。因みに天井にウォータースプリングをくっつけたので、霧型の水が優しく噴射されて暑さを軽減&涼しくできるように。
子供たちが退屈しないようにブランコと滑り台も併設した。
これでとりあえずの広場は完成した。
作ってる最中から領民たちが、少し集まってきていたので試しに座ってもらったが好評だった。
チラッと作った広場を見ると、早速話を聞き付けた子供たちが遊んでいるし、仕事に疲れた領民や散歩をしていた領民が座って談笑している。
そんな光景を見て、作ってよかったと心から思った。
しばらくの間少し離れた場所で、ガークと二人で様子を見守っていたのだった。
「レンこうやって話すのは久々だな!」
「おーガーク。確かに二人っきりで話すのはあの日以来か? 」
ガークが喧嘩ふっかけてきて、返り討ちにしたら認めてくれたやつ。
「トメリルはちゃんとやってるか? 」
「色んな仕事してくれてるし、リーナの補佐もやってくれてるから凄く助かってるよ。それに屋敷の皆とも仲良くやってくれてるよ」
やっぱこいつ根から良い奴なんだよな。すぐ友人を気遣えるし。
必然ではあるが、屋敷メンバーのうち、トメリル以外は嘔吐組のため、どうしても疎外感が生まれたりしないか心配だったが、誰とでもすぐ打ち解けて、楽しそうに毎日過ごしてる。
「ならよかったわ。そーいや、聖女様たちってレンを追ってやってきたんだろ? お前、人望ありすぎじゃね? 下手したら国王以上なんじゃねぇか? 」
「いやいや買い被りすぎだそれは」
「いつか王女様とかが、レンを追ってヘレクス領にやってきたなんて大イベイベントが起こっても、俺は驚かねぇからな? 」
「お、王女様って……お前なぁ」
「じょーだんだよ、じょーだん。流石のレンでも王女様との交流はねぇか。レンと同じで王女も何人か、えーと三人だっけ? いるっつーのは知ってるが、第三王女とかだったら交流あんのかなって思ったんだが。第一王女はなくとも」
「え? そりゃ三人とも交流あるぞ? 」
「はぁぁぁ!?!? いや、俺……冗談で言ったんだぞ!? は、ガチで!? 」
あのイカつい顔したガークがめちゃくちゃ驚いてて面白い。
「いや、そりゃ王族のパーティーとかあるからな。兄貴共はでしゃばって、ガツガツと王女様方にとりいっていってたが、俺はそういうのには興味がなくてな。食いもんと飲み物だけ楽しんでた」
「なんだ、びっくりさせんなよ。ただパーティーであったことがあるだけかよ。じゃあ話したりとかもしてないんだろ? 」
「んや? 周囲や兄貴共がべちゃくちゃ喋りながらダンスとかなんならしてる中俺だけぼっちで飯食ってるのを、不憫に思ったのか、はたまた哀れに思ったからなのかは知らないけど、第三王女……クレシアが話しかけてきたんだ」
「王族や貴族のパーティーなんて見たことねぇから想像でしかないが、確かに一人、ぽつんと飯食ってるやつがいたら、浮くわな。それで話しかけようとするクレシア様もすげぇが」
「ガーク!! 」
「あん? どうした!? 」
「ガーク、ガークが人の名前に様を付けた!? お前本当にガークなのか!? 俺の知ってるガークじゃないぞ!!! 」
「アホか!? 王女様まで呼び捨てにはしねぇよ!!! 流石にそこは弁えてるぞ」
「これは驚いた。様を付けるにしても本人の目の前だけかと思ってた」
「レン、一回シバいていいか? 」
「やれるもんなら? 」
「さーせんした! 」
こんなやり取りが続いてーーー
「ーーーと、こんな感じてクレシアと仲良くなった俺は、クレシアからの紹介で第一王女と第二王女とも仲良くなったんだ」
「あんだけ俺に言っといてレンは呼び捨てなのかよ」
「俺も最初は様付けてたけど本人たちが様付けやめろ、名前で呼べ、差もなくば拉致るぞと脅されたから渋々な……」
「話聞いてて思ったんだが、王女様に気に入られたから、お前への妬みが増幅して行ったんじゃねぇか? 」
なるほどねぇ……。有り得ない話ではないな。
しかし王女三人に気に入られたところで、なんになるんだって話だよな。
綺麗だったり可愛い王女たちを嫁にして自慢したいとかそんなところ?
あいつらならそんな下な思惑しかなさそう、うん。
「レンがそれ言うか? 7人も女はべらせといて」
呆れたように言ってくるガーク。
「おまっ、はべらせるって何言ってんだ。あいつらはただ友達として仲良くしてくれてるだけだと思うんだが」
「レンは女心が分からんのだな」
またでた女心!
リーナとかトメリルとかトゥーンちゃんも言ってた気がする。なんなのだろう、女心って。
そういう疑問に答えてくれるナビゲーターガイドみたいなの後で作ってみようかな。
「はーこりゃあいつ苦労しそうだな。友達として言っといてやるが、ソレ、言われたら全員ショック受けるだろうから絶対言うなよ」
「お、おう」
「話は戻るが王女様方に気に入られたって言ってたよな? 俺はレンを追ってここに王女様が来ても驚かないからな」
「いやいや、流石に王女が俺の後を追ってくるなんてことは無いだろ……」
無いよな……?
「というかこれ以上は誰も俺関連では来ないんじゃないかなぁ」
「んなことねぇだろ。って引き止めて悪かったな。そーいやなんでこんなとこに突っ立ってたんだ」
「ん? ここに皆が気安く集まれるように広場を作ろうと思ってな」
「俺がボコボコにされた場所が皆でキャッキャの広場になんのか」
「……そ、そうだな」
俺としてはただ広いってのと、集会所がスグそこってのを鑑みてここに決めただけだったのだが、そういえばガークと決闘したのここだったな。なんかもう懐かしく感じる。
「俺も手伝うぜ」
「え、いいのか? 」
「あたりめーだろ。てかそんな大掛かりなことすんのに一人でやるつもりだったのか? 」
「うーんだって数十分もあれば完成するし」
「数十分って……まぁレンだからそうか」
「なんだよその納得の仕方」
「ここの領主様はすげぇからな」
「買いかぶりすぎだ。けど、手伝ってくれるのはありがたい」
「一人より、二人でやった方が早く終わるだろ? お前は早く屋敷に帰ってあいつらと談笑したり遊んだりするのも仕事だ。早く帰ってやれ」
「ガーク……」
「あ? なんだよお前ほんといいやつだな。あの時では考えられないわ」
「一言多いんだよ一言。うっし、やるぞ。何をしたらいい? 」
「そっからここをこうしてだな」
ーーー30分後。
「「完成ー!!! 」」
額についた汗を拭い、お互い近くに歩み寄るとハイタッチをする。
「想定より早く終わったな。これもガークが手伝ってくれたおかげだ」
「ほとんどレンがやったけどな。俺はちょっと手伝っただけだ」
木材のイスやテーブルを何台かおいて、領民が座って談笑したりできるようにした。外だと日光に照らされて、夏は暑くなってしまうのでテントを貼って日差しを少しでも遮れるようにした。因みに天井にウォータースプリングをくっつけたので、霧型の水が優しく噴射されて暑さを軽減&涼しくできるように。
子供たちが退屈しないようにブランコと滑り台も併設した。
これでとりあえずの広場は完成した。
作ってる最中から領民たちが、少し集まってきていたので試しに座ってもらったが好評だった。
チラッと作った広場を見ると、早速話を聞き付けた子供たちが遊んでいるし、仕事に疲れた領民や散歩をしていた領民が座って談笑している。
そんな光景を見て、作ってよかったと心から思った。
しばらくの間少し離れた場所で、ガークと二人で様子を見守っていたのだった。