しかし、最新の記事は口コミよりも三年も前のもので、しかもブログの閉鎖を告知する内容だった。口コミの投稿者はどうして三年も前に閉鎖したブログへのリンクを貼ったのか、僕にはその意図が分からなかった。僕は改めて閉鎖の告知を読み直してみた。

 -ブログ閉鎖のご案内-
 この度、一身上の都合でブログを閉鎖することになりました。今日まで僕の拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。僕は今日この場所を去りますが、皆様の末永い健康をお祈り致しております。

 読み返してみると、遺書めいた文章だと思った。そして、心に波が立った。僕は恐る恐るその前の記事を開いてみた。その途端、全てが明らかになった。

 記事の見出しは「姉とカイジ浜へ」
 
 記事の冒頭にはツーショットの写真が貼られていた。見覚えのある流木に高校生ぐらいの少年が座っていた。彼はその手に三線を抱えていた。そして、彼の右隣には、僕が知っているよりも少し若い奈々さんが座っていた。