それから、僕はゲーム機をテレビに接続して、とりあえずテニスのゲームをセットしてみた。その後、テレビの前に座布団を二つ並べてから真澄を呼んだ。
「ねえ、やってみようよ」
「私、ぜんぜんできる気がしないな」
 真澄はあまり乗り気がしないという様子で僕の隣に座った。

 いざ、テニスゲームを始めてみると、二人ともやり方がよく分からずまるで勝負にならなかった。次々と別のソフトを試してみたが状況はまるで同じだった。
「やっぱり、説明書をよく読んでからでないとダメみたいね」
 真澄が早々にギブアップ宣言をしてゲーム初日はあっさりと終わった。
「私、純さんがアルバイトにいっている間に説明書を読んで勉強しておくね。そうして、純さんにやり方を説明してあげる」
「ああ、よろしく頼むよ」
 そんな風にして、僕たちには歌以外にも一緒に楽しめることができた。

 八月十九日(水)

 僕はテニスゲームで真澄にコテンパンに叩きのめされた。

 八月二十日(木)

 僕はレースゲームで真澄にぶっちぎられた。