八月十八日(火)

昼食が済んでしばらくしてから、僕は隣町の電気製品の店に自転車で向かった。そこで僕はゲーム機といくつかのゲームソフトを購入した。僕は本来ゲームなどしない人間だったが、部屋から出られない真澄と一緒に楽しめることは他にあまり思いつかなかった。ゲーム機は部屋まで配達してもらうことにした。配達は夜になるだろうということだった。

 夕食の片付けが終わった頃、ドアベルが鳴った。電気店の店員がゲーム機とソフトを運んできてくれたのだ。
「こちらにサインをお願いします」
 店員から差し出された用紙にサインをして僕は品物を受け取った。
「どうも、この度はお買い上げありがとうございました」
 店員は礼を言うと足早に去っていった。
 僕が受け取った荷物を部屋の中に入れると真澄が近づいてきた。
「純さん、何を買ったの?」
「ゲーム機だよ、真澄と一緒にやろうと思ってさ」
「私、ゲームなんてやったことないわよ」
「僕もだよ。だから有利、不利はなしで真剣勝負だね」
「ごめんなさい。私のためにお金を使わせてしまって」
「遠慮するなよ。僕がやりたいから買ったんだから」