八月十二日(水)

 夜、歌詞ができたと真澄が言ったので、僕たちは前の晩に引き続いてノートパソコンを置いた机の前で打ち合わせを始めた。
「純さん、歌詞の語数とかイメージとか、メモを取ってもらってもいいかな?」
「ああ、ちょっと待ってね」
 僕はすぐにノートと鉛筆を取り出して真澄に声を掛けた。
「はい、じゃあ、歌詞の語数を教えて」
 僕は鉛筆を構えて真澄の言葉を待った。
「まず、Aパートは文字数が五五七七で、A’のパートも五五七七ね」
 僕がメモを取るのを待ってから真澄は続きを始めた。
「次に少し曲の感じを変えてもらってBパートが七七七七、最後にCパートが七七七七、それでおしまい」
 僕はメモを取り終えると確認をすることにした。
「つまりAパートが五五七七、A’パートも五五七七、そしてBパートは少し感じを変えて七七七七、その次のCパートも七七七七で終わる曲を書けばいいんだね」
「そう、その通り」
 すんなりと話が通り真澄は満足そうな表情を浮かべた。
「語数は分かったけど、それ以外で何か注文はあるかな?」
「そうね、AとA’のパートは説明的な所だから控えめな感じにして、Bパートの七七七七で少しずつで感情を高めるの。そして次のCパートの前半の七七で一気に感情を爆発させて後半の七七で少し落ち着く感じにして欲しいの」
 僕は真澄の言葉をきちんとメモしてから尋ねた。