理斗達と別れると、咲斗が言った。
「俺、水、買って来る。一人にさせるけど、すぐ、戻るからな。あそこ、ベンチあるから、座って、待ってろ」
「ああ...頼む」
返事をすると咲斗も歩いて行った。
「はあ」
俺は、ベンチに座って、一人、溜め息。
クラクラする。そう思いながらも、頭の中は、何故か、考え込んでいた。ジェットコースターなんて、いつ振りに乗ったんだろう。記憶をたどっても、最後に乗ったのは、小学校の修学旅行で行った、遊園地だ。
その遊園地は、絶叫系アトラクションが大人気で、その時の俺は、まだ、絶叫系アトラクションが嫌いじゃなかったから、乗るのがすごく、楽しみだった。
「えっ」
突然、左の頬に冷たい感触が走った。
顔を上げると、咲斗が目の前に居た。
「ほら」
差し出されたペットボトルの中で水が揺れている。
「ありがと」
受け取ったペットボトルをすぐ、開け、水を口に流し込む。すると、頭が冷えて、すっきりしてきた。
酔った感じ、無くなってきた。
「落ち着いた?」
「ああ。助かった」
咲斗が隣に座る。水を買った時に一緒に買ったのか、サイダーを開けて、一気に飲み干した。
「覚えてるか?小学生の時の修学旅行」
「ああ」
俺も、今、思い出してたところだよ。
「俺さ、あの頃は、まだ、お前とは、ただの幼馴染で、ゲームしたり、公園で遊んでたりしてただけだったけど、あの時の修学旅行で湊斗が好きになった」
「えっ、聞いてない」
「今、初めて言ったからな」
「そっ、そうだな」
俺を見て、咲斗は、笑った。
「湊斗、俺の事になると、たまに、どっか、抜けてる時、あるよな」
「咲斗が好きだから、自然となるんだよ」
何故か、咲斗は、そっぽ向く。
「何で、そっち、向くんだ」
「この前は、"愛してる,,って、言ってくれたのに、今日は、"好き,,なんだ?」
そんなことか...。
「"愛してる,,なんて、これから、何度でも、言ってやる。だから、咲斗、こっち、向け」
そう言っても、咲斗は、俺をちらっと見て、また、そっぽ向く。
「分かったよ。もう、どうなっても知らないから」
俺は、咲斗の胸元を掴んで、引きよせ、唇を重ねた。
「愛してるって、...これで、分かったか。バカ咲斗」
「...ああ。って言うか、言うだけじゃねえか!
キスまで、するか?!場所、考えろ!」
「お前が煽ったんだ。バカ咲斗」
「うっ」
「ほら、行こう。時間無くなる」
俺は、ベンチから立ちあがる。
「大丈夫なのか?」
「ああ。ありがとな」
咲斗に手を差し出す。
「おう」
俺の手を取って、咲斗も立ち上がる。
「次、お化け屋敷、行こうぜ」
「ああ」
そして、お化け屋敷に来た。
「湊斗、絶対、離すなよ」
「ああ。隣に居る」
今度は、咲斗が怖がっていた。
怖いものに自分から、飛び込む事にどれだけの気力がいるか分かったので、ただ、手を繋ぎ、咲斗に合わせて、ゆっくり、歩いていた。でも、本当は、もう少し、早く、歩きたい。
「なんか、ガタガタ、言ってる」
咲斗は、周りをずっと、気にしてる。
「あっ」
俺は、次の仕掛けに気づいたが、咲斗は、怖がるだけで精一杯。
「えっ、湊斗、なんだよ」
咲斗は、震えている。
「何にもない。行こ」
俺は、手を引いて、歩く。
「うわぁ」
仕掛けがここで、一気に出てくる。
「み、なと」
「うん、大丈夫」
なんとか、お化け屋敷を出る。
「あー、死ぬかと思った」
「死なないよ。俺が居るから」
「お前、その自信、どっから来るの?」
「咲斗が居るからだけど?」
「あー、もういい、湊斗の追撃は、十分、効いてます。次、乗りに行こ」
今度は、咲斗が手を引いて、歩きだす。
「ああ」
その後も、色々なアトラクションに乗った。
コーヒーカップ、シューティングゲームにブランコ。
「次、ご飯、行く?」
「そうだな」
昼を過ぎた頃、俺達は、昼食に行こうとしていた。
「あっ、咲斗達だ!」
「来斗」
「湊斗と咲斗じゃん」
フードコートで、理斗達と偶然、合流した。
「そっちも昼飯か?」
「ああ」
俺が理斗と話していると、来斗と咲斗が話し始める。
「俺達は、もう、食べ終わったから、次、行くぜ!」
「何処、行くんだ?」
「お化け屋敷!!」
「俺達、もう、行ったぜ」
「おお!怖かったか?」
目を輝かせる来斗に対して、さっきまで、楽しそうにしていた咲斗のテンションが一気に下がる。
「来斗、聞くな」
「えー、じゃあ、湊斗は?」
そして、"怖かったか?,,という質問は、俺に飛んでくる。
「俺?...そうだな、咲斗と周れて、楽しいかな」
「何か、思ってたのと、違う答えが返ってきた」
「来斗、行くぞ。二人共、夕方な」
そう言い残して、理斗は、歩き出す。
「えっ、理斗、待てよ!」
来斗も慌てて、理斗を追いかける。
「理斗、来斗との遊園地、楽しんでるな」
「ああ」
咲斗も気づいていたみたいだ。
昼も別行動になったのは、理斗の提案だった。
「来斗も楽しそうだし、良かったよな」
「俺達もだろ?」
「そうだな。早く、昼飯、食べて、行ってないところ、周ろう」
そして、あっという間に、時間が過ぎて、夕方に近づいて来た頃、俺達は、観覧車に乗っていた。
「高いな」
「ああ」
観覧車もいつぶりだろう。
「湊斗、そっち、座っても良いか?」
「来いよ」
返事をすると、隣に咲斗が座る。
「さっき、修学旅行の話、してただろ?」
「ああ」
「俺も湊斗も自分が居るはずだったグループ抜け出してさ、遊園地、二人で周ったよな」
「ああ」
「湊斗と居るのが楽しいんだ。ずっと、一緒に居たいって、気づいて、好きになった」
「咲斗...」
「湊斗が告白してくれるまで、俺じゃ、駄目かもしれないとか、迷ってたり、このまま、隠そうとも、何度も思った。だけど、湊斗と両思いだった事が分かった時、嬉しかった。でも、早く、伝えたら、良かったとも思った」
俺は、咲斗の言葉に、どうやって、答えたら良いか、迷った。だから、自分の話をしようと思った。
「俺は、初めて、咲斗の事を意識したのが小学校の修学旅行だった」
「えっ?」
俺は、自然と笑みが溢れる。
「今の咲斗、俺と同じ反応してるけど、俺も、初めて言うからな」
「あっ...ああ」
「俺は、クラスに馴染めなくて、お前や理斗、来斗とずっと、一緒に居た。修学旅行でもグループで浮いていた俺を咲斗が連れ出してくれたから、今の俺が居るんだと思う。その時から、咲斗を意識してたかな。それから、好きになったのは、中学に上がって、すぐだった」
「もしかして」
「ああ。キャンプだ」
中学に上がって、すぐに、キャンプがあった。
その日の夜のキャンプファイヤで、咲斗とペアを組んで、キャンプファイヤに火を灯した。
「その時の咲斗が楽しそうなのみたら、好きになった」
「湊斗」
咲斗が俺を抱きしめる。
「俺、あの時も湊斗と一緒だったのが嬉しかったんだ」
俺も咲斗を抱きしめ返す。
「咲斗、俺もだよ。ありがとう」
上を向くと、咲斗と視線が合い、自然と唇が重なった。
「...咲斗」
「何?」
「咲斗とずっと、一緒に居たい」
「俺も。湊斗が隣に居てほしい」
そして、観覧車が一番上の高さまで来た。
夕日が綺麗だった。
「俺、水、買って来る。一人にさせるけど、すぐ、戻るからな。あそこ、ベンチあるから、座って、待ってろ」
「ああ...頼む」
返事をすると咲斗も歩いて行った。
「はあ」
俺は、ベンチに座って、一人、溜め息。
クラクラする。そう思いながらも、頭の中は、何故か、考え込んでいた。ジェットコースターなんて、いつ振りに乗ったんだろう。記憶をたどっても、最後に乗ったのは、小学校の修学旅行で行った、遊園地だ。
その遊園地は、絶叫系アトラクションが大人気で、その時の俺は、まだ、絶叫系アトラクションが嫌いじゃなかったから、乗るのがすごく、楽しみだった。
「えっ」
突然、左の頬に冷たい感触が走った。
顔を上げると、咲斗が目の前に居た。
「ほら」
差し出されたペットボトルの中で水が揺れている。
「ありがと」
受け取ったペットボトルをすぐ、開け、水を口に流し込む。すると、頭が冷えて、すっきりしてきた。
酔った感じ、無くなってきた。
「落ち着いた?」
「ああ。助かった」
咲斗が隣に座る。水を買った時に一緒に買ったのか、サイダーを開けて、一気に飲み干した。
「覚えてるか?小学生の時の修学旅行」
「ああ」
俺も、今、思い出してたところだよ。
「俺さ、あの頃は、まだ、お前とは、ただの幼馴染で、ゲームしたり、公園で遊んでたりしてただけだったけど、あの時の修学旅行で湊斗が好きになった」
「えっ、聞いてない」
「今、初めて言ったからな」
「そっ、そうだな」
俺を見て、咲斗は、笑った。
「湊斗、俺の事になると、たまに、どっか、抜けてる時、あるよな」
「咲斗が好きだから、自然となるんだよ」
何故か、咲斗は、そっぽ向く。
「何で、そっち、向くんだ」
「この前は、"愛してる,,って、言ってくれたのに、今日は、"好き,,なんだ?」
そんなことか...。
「"愛してる,,なんて、これから、何度でも、言ってやる。だから、咲斗、こっち、向け」
そう言っても、咲斗は、俺をちらっと見て、また、そっぽ向く。
「分かったよ。もう、どうなっても知らないから」
俺は、咲斗の胸元を掴んで、引きよせ、唇を重ねた。
「愛してるって、...これで、分かったか。バカ咲斗」
「...ああ。って言うか、言うだけじゃねえか!
キスまで、するか?!場所、考えろ!」
「お前が煽ったんだ。バカ咲斗」
「うっ」
「ほら、行こう。時間無くなる」
俺は、ベンチから立ちあがる。
「大丈夫なのか?」
「ああ。ありがとな」
咲斗に手を差し出す。
「おう」
俺の手を取って、咲斗も立ち上がる。
「次、お化け屋敷、行こうぜ」
「ああ」
そして、お化け屋敷に来た。
「湊斗、絶対、離すなよ」
「ああ。隣に居る」
今度は、咲斗が怖がっていた。
怖いものに自分から、飛び込む事にどれだけの気力がいるか分かったので、ただ、手を繋ぎ、咲斗に合わせて、ゆっくり、歩いていた。でも、本当は、もう少し、早く、歩きたい。
「なんか、ガタガタ、言ってる」
咲斗は、周りをずっと、気にしてる。
「あっ」
俺は、次の仕掛けに気づいたが、咲斗は、怖がるだけで精一杯。
「えっ、湊斗、なんだよ」
咲斗は、震えている。
「何にもない。行こ」
俺は、手を引いて、歩く。
「うわぁ」
仕掛けがここで、一気に出てくる。
「み、なと」
「うん、大丈夫」
なんとか、お化け屋敷を出る。
「あー、死ぬかと思った」
「死なないよ。俺が居るから」
「お前、その自信、どっから来るの?」
「咲斗が居るからだけど?」
「あー、もういい、湊斗の追撃は、十分、効いてます。次、乗りに行こ」
今度は、咲斗が手を引いて、歩きだす。
「ああ」
その後も、色々なアトラクションに乗った。
コーヒーカップ、シューティングゲームにブランコ。
「次、ご飯、行く?」
「そうだな」
昼を過ぎた頃、俺達は、昼食に行こうとしていた。
「あっ、咲斗達だ!」
「来斗」
「湊斗と咲斗じゃん」
フードコートで、理斗達と偶然、合流した。
「そっちも昼飯か?」
「ああ」
俺が理斗と話していると、来斗と咲斗が話し始める。
「俺達は、もう、食べ終わったから、次、行くぜ!」
「何処、行くんだ?」
「お化け屋敷!!」
「俺達、もう、行ったぜ」
「おお!怖かったか?」
目を輝かせる来斗に対して、さっきまで、楽しそうにしていた咲斗のテンションが一気に下がる。
「来斗、聞くな」
「えー、じゃあ、湊斗は?」
そして、"怖かったか?,,という質問は、俺に飛んでくる。
「俺?...そうだな、咲斗と周れて、楽しいかな」
「何か、思ってたのと、違う答えが返ってきた」
「来斗、行くぞ。二人共、夕方な」
そう言い残して、理斗は、歩き出す。
「えっ、理斗、待てよ!」
来斗も慌てて、理斗を追いかける。
「理斗、来斗との遊園地、楽しんでるな」
「ああ」
咲斗も気づいていたみたいだ。
昼も別行動になったのは、理斗の提案だった。
「来斗も楽しそうだし、良かったよな」
「俺達もだろ?」
「そうだな。早く、昼飯、食べて、行ってないところ、周ろう」
そして、あっという間に、時間が過ぎて、夕方に近づいて来た頃、俺達は、観覧車に乗っていた。
「高いな」
「ああ」
観覧車もいつぶりだろう。
「湊斗、そっち、座っても良いか?」
「来いよ」
返事をすると、隣に咲斗が座る。
「さっき、修学旅行の話、してただろ?」
「ああ」
「俺も湊斗も自分が居るはずだったグループ抜け出してさ、遊園地、二人で周ったよな」
「ああ」
「湊斗と居るのが楽しいんだ。ずっと、一緒に居たいって、気づいて、好きになった」
「咲斗...」
「湊斗が告白してくれるまで、俺じゃ、駄目かもしれないとか、迷ってたり、このまま、隠そうとも、何度も思った。だけど、湊斗と両思いだった事が分かった時、嬉しかった。でも、早く、伝えたら、良かったとも思った」
俺は、咲斗の言葉に、どうやって、答えたら良いか、迷った。だから、自分の話をしようと思った。
「俺は、初めて、咲斗の事を意識したのが小学校の修学旅行だった」
「えっ?」
俺は、自然と笑みが溢れる。
「今の咲斗、俺と同じ反応してるけど、俺も、初めて言うからな」
「あっ...ああ」
「俺は、クラスに馴染めなくて、お前や理斗、来斗とずっと、一緒に居た。修学旅行でもグループで浮いていた俺を咲斗が連れ出してくれたから、今の俺が居るんだと思う。その時から、咲斗を意識してたかな。それから、好きになったのは、中学に上がって、すぐだった」
「もしかして」
「ああ。キャンプだ」
中学に上がって、すぐに、キャンプがあった。
その日の夜のキャンプファイヤで、咲斗とペアを組んで、キャンプファイヤに火を灯した。
「その時の咲斗が楽しそうなのみたら、好きになった」
「湊斗」
咲斗が俺を抱きしめる。
「俺、あの時も湊斗と一緒だったのが嬉しかったんだ」
俺も咲斗を抱きしめ返す。
「咲斗、俺もだよ。ありがとう」
上を向くと、咲斗と視線が合い、自然と唇が重なった。
「...咲斗」
「何?」
「咲斗とずっと、一緒に居たい」
「俺も。湊斗が隣に居てほしい」
そして、観覧車が一番上の高さまで来た。
夕日が綺麗だった。