夕方になった。文化祭が終わり、後夜祭が始まった。
後夜祭は、先生達が屋台を出してくれるから、それを生徒が楽しむ事になっている。
「おーい」
「やっと来た」
「悪い。片付け、手間取ってた」
「ライトの片付け、あんなに難しいと思わなかった」
四人で集まったが、俺は、考えていた。
そんな俺を察したのか、理斗が言った。
「集まって、すぐだが、今日は、来斗と二人で周る」
来斗も目を輝かせる。
「そうしよう!」
ありがとな。と理斗に視線を送ると理斗は、頷いた。
「行くぞ」
「おう」
「また、後で」
「じゃあ、俺達も周ろうぜ」
「ああ」
それから、二人で屋台を周った。
焼きとうもろこしを食べたり、射的をしたり、お化け屋敷に行ったり、写真を撮った。
今は、屋上に来ている。
「屋上、久しぶりに来たな」
「文化祭までは、教室で、昼も集まってたからな」
夜空には、星が見え始めていた。
「咲斗」
「なに」
「好きだ」
咲斗が、俺に抱きつく。
「俺も好き。今日は、久しぶりに二人の時間、楽しかったな」
「ああ。楽しかった」
「隣に居てくれよ。一生な」
「もちろんだ。今、俺も同じ事、言おうとしてた」
「そうか。俺が先だっただけだろ」
「俺が言いたかった。少しだけ」
「少しだろ」
俺達は、笑い合い、唇を重ねた。
この温もりが愛おしかった。
「湊斗、好きだ」
「ああ。俺もだよ」
その後、理斗と来斗と合流した。
「何してたんだ」
「秘密」
「お化け屋敷、行ったぜ」
「こっちは、花火、やったぞ」
「どこでやってたんだ?!」
「言わないよ」
「第二校舎の入り口」
「あっ、理斗、言うなよ!」
「湊斗、行こう!」
「ああ」
この空の下で誓う。ただ、当たり前の様に過ぎていく、大切な人と、笑って、泣いて、生きていける、当たり前の日々を大切に生きていくと。