夏休みが明けて、夏祭りから一カ月が過ぎようとしていた。
今日は、文化祭当日だ。
いつもと同じように、朝は、咲斗と家の前で、理斗と来斗とバス停で待ち合わせて、学校に登校する。
クラスの出し物の間の時間を縫って、四人で周ったり、咲斗と二人で周ったりして、文化祭を楽しんだ。
「湊斗、行こうぜ」
「ああ」
一度、着替えて、咲斗とクラスを抜け出す。
「これで、抜けられるのは、最後か」
「次は、後夜祭だな」
「屋台の焼きそば、食べたい」
「好きだな、焼きそば」
「いいだろ?頑張った後は、自分を労うんだよ。
ホストカフェも大反響だからな」
「そうだな。最後の時間、何処、行く?」
「まだ、来斗達のクラス、行ってなかったな」
「行くか」
「ああ」
隣のクラスに入る。
「いらっしゃいませ」
「あっ、湊斗、咲斗!」
理斗と来斗が出迎えてくれた。
「見てくれよ!理斗が俺に作ってくれたんだ」
「良いな」
「確か、理斗達のクラスは、ファンタジーカフェか」
「ああ。俺達は、王子役だ」
「すげえ。お姫様とか、動物とかいっぱいだ」
「二人の席は、こっちだ」
「サンキュ」
「注文が決まったら、お伺いします」
理斗は、もう、店員対応。
「何、食べる?」
メニューに軽く、目を通す。
「俺は、決まった」
「えっ、俺、どうしよ」
「ゆっくり、選べよ。まだ、時間はある」
「いや、決めた。頼もう」
「そうか?じゃあ」
「注文か?」
理斗が来てくれた。
「ああ。俺は、カフェラテとはちみつパンケーキで」
「アイスコーヒーと苺のパンケーキで」
「かしこまりました」
しばらく、待っていると注文していたものが運ばれてくる。
「お待たせしました。はちみつパンケーキと苺のパンケーキです」
「おお!」
「食べようぜ」
「二人共、待たせたな!カフェラテとアイスコーヒーだぜ!」
来斗が飲み物を運んできてくれた。
「サンキュ」
「ありがとう」
「俺達、もうすぐ、休憩だから、湊斗達のクラスに行くな」
「ああ。待ってる」
「絶対、来いよ!」
「ありがとな!俺も頑張るぜ!じゃあな!」
来斗は、裏手に周っていった。
「元気だな」
「理斗と仲直りしてから、今まで、以上に元気だ」
「食べるか。早くしないと、戻る時間になるからな」
「ああ。理斗達も俺達で、もてなしてやろうぜ」
パンケーキをあっという間に、たいらげた。
「美味かったな」
「ああ」
「苺も美味しかったけど、はちみつも美味しかったな」
「半分、分けるくらいで丁度いいんだよ」
「だな」
「そろそろ、戻るか」
「オッケー」
着替えて、クラスに戻ると、忙しくなり始めていた。
「やるか」
「乗り切って、後夜祭、周るぞ!」
理斗と来斗も来てくれた。
「さっそく、来たぞ」
「おっ、二人共、似合ってるな!」
「そうか。ありがとう」
「理斗、来斗、待ってたぞ」
そして、文化祭は、終わりを迎える。