僕は部屋に入ると、床にぺたん座りする。
陽向くんも僕の前に座った。
「何? 叶人は、わざわざ謝りに来たの?」
「うん……そしてね、秘密事を連れてきた」
「……連れてきた?」
「陽向くんに秘密事を教えようと思って」
僕はポケットからスズメを出した。
「さっき家の中、覗いてきた子か」
「そう、これが秘密事なの」
「どういうこと?」
「僕ね、実は最近羊毛フェルトにハマっていてね――」
お母さんが時間潰しにやっていた羊毛フェルトを少しやらせてもらって、それからハマりだしたことを陽向くんに教えた。
「なんだ、別に秘密事にすることじゃないじゃん」
「そうだよね」
陽向くんが笑ってくれた。
僕も陽向くんの笑顔を見て安心し、一緒に笑う。
「俺も、作ってみたいな」
「陽向くんも?」
「うん、そのスズメみたいに可愛いやつ。陽葵の好きなキャラの、作ってみようかな」
陽葵ちゃんは、陽向くんの妹だ。ふたりとも名前に太陽の〝陽〟がついている。明るい兄妹で、僕の気持ちもいつも明るくしてくれて、とてもふたりに似合う名前だと思う。
いつもはひとりでのんびりやってる羊毛フェルト。陽向くんと一緒にそれぞれ好きなものを作っているところを想像してみた。
よくよく考えたら、羊毛フェルトを作っている空間に陽向くんがいても、全然嫌じゃないな。
陽向くんだけは特別――。
「いいよ、一緒に作ろ?」
「その、羊毛フェルトって、何準備すればいいんだ?」
「教えてあげる! 手芸屋さんにも売ってるし、100円ショップにも種類がたくさんあるよ」
「じゃあ、明後日のソフトクリーム食べる日に、買いに行くの付き合ってもらおうかな?」
「いいよ!」
良かった!
これで明日はいつも通りに、陽向くんと一緒に学校へ行ける。
陽向くんも僕の前に座った。
「何? 叶人は、わざわざ謝りに来たの?」
「うん……そしてね、秘密事を連れてきた」
「……連れてきた?」
「陽向くんに秘密事を教えようと思って」
僕はポケットからスズメを出した。
「さっき家の中、覗いてきた子か」
「そう、これが秘密事なの」
「どういうこと?」
「僕ね、実は最近羊毛フェルトにハマっていてね――」
お母さんが時間潰しにやっていた羊毛フェルトを少しやらせてもらって、それからハマりだしたことを陽向くんに教えた。
「なんだ、別に秘密事にすることじゃないじゃん」
「そうだよね」
陽向くんが笑ってくれた。
僕も陽向くんの笑顔を見て安心し、一緒に笑う。
「俺も、作ってみたいな」
「陽向くんも?」
「うん、そのスズメみたいに可愛いやつ。陽葵の好きなキャラの、作ってみようかな」
陽葵ちゃんは、陽向くんの妹だ。ふたりとも名前に太陽の〝陽〟がついている。明るい兄妹で、僕の気持ちもいつも明るくしてくれて、とてもふたりに似合う名前だと思う。
いつもはひとりでのんびりやってる羊毛フェルト。陽向くんと一緒にそれぞれ好きなものを作っているところを想像してみた。
よくよく考えたら、羊毛フェルトを作っている空間に陽向くんがいても、全然嫌じゃないな。
陽向くんだけは特別――。
「いいよ、一緒に作ろ?」
「その、羊毛フェルトって、何準備すればいいんだ?」
「教えてあげる! 手芸屋さんにも売ってるし、100円ショップにも種類がたくさんあるよ」
「じゃあ、明後日のソフトクリーム食べる日に、買いに行くの付き合ってもらおうかな?」
「いいよ!」
良かった!
これで明日はいつも通りに、陽向くんと一緒に学校へ行ける。