ソフトクリームは、ラベンダー味にした。
 陽向くんはバニラ味にしていて、気になったから陽向くんのソフトクリームの、大きなひとくちをもらった。

「ソフトクリーム、どっちの味も美味しかった!」
「また今度食べような! 叶人、口元にソフトクリームついてるよ」

 陽向くんは優しく僕の顔についてるソフトクリームを拭いてくれた。久しぶりに拭いてくれた気がする。

 美味しいお昼ご飯とソフトクリームを食べて、そして陽向くんに僕の気持ちを伝えて――。ほくほくした気持ちのまま、ぬい活午後の部が始まった。午後の部といっても、午前中にほとんど回れた感じだから、時々羊毛フェルトのキャラを撮っているけれど、ほとんど手を繋ぎながらただ散歩をするみたいな感じになっていた。

 一回伝えられたら、もう怖がらずに恥ずかしがらずに、何でも伝えられる気がする。

「ねぇ、陽向くん、これってデートみたいだよね?」

 陽向くんは僕と目を合わせて、ふっと笑った。
 気持ちを伝える前だったら、デートって言うのも恥ずかしかったよ。

「陽向くん、本当に僕と恋人になっちゃおうよ。っていうか、僕、陽向くんの気持ち聞いたっけ?」
「叶人、急にストレートにものを言うようになったな」
「なんだか楽しくなっちゃって」
「俺も、叶人と恋人になりたいよ。付き合おうか」
「うん!」

 今、陽向くんと恋人になった瞬間――!

 目の前にあるカラフルな花畑みたいな気持ちになってきた。この気持ちもこの景色も、陽向くんと交わした会話も。ずっと頭の中の、宝物コーナーにしまっておこう。