僕たちはお昼ご飯を食べ終える。
 ちょうど手紙も完成した。

「陽向くん、今から頭の中で完成したお手紙を読みますので、聞いてください」
「わ、分かりました」

 ふたり一緒に背筋を伸ばした。

「では、読みます。陽向くんへ。まず一番に伝えたいのは、小さい時からずっと、陽向くんが大好きです。だけどなんだか最近は『大好き』の気持ちが変わった気がします。大好きにドキドキも加わりました。さっきも手を繋いだ時、ドキドキしすぎて大変でした……あれ? 続きなんだっけ?」

「叶人、思い出すのゆっくりでいいから、続きも聞かせてね」

 緊張しすぎて、頭の中で書いた手紙が真っ白になった。だけど優しい顔で僕を見つめてくれる陽向くんと、窓にいる羊毛フェルトの僕たちを見たら思い出してきた。

 僕が伝えたいことを――。

「……本当に、陽向くんと手を繋ぐのは嫌だとは思ってはいなくて、外を眺めている羊毛フェルトの僕たちみたいに手を繋ぎたいなって思っています。えっと、あとは、陽向くんとなら、恋人になってもいいよって毎日思っています……もっと長くお手紙を書いたけれど、忘れちゃった。最後に、僕は陽向くんが、本当に……大好きです!」

 伝えたい気持ちを伝えたら、泣きそうになる。って、あれ? 陽向くん、いっぱい泣いてる?