風呂から上がると叶人の部屋に戻った。
「おかえり!」
「ただいま」
「うさぎのもっふんちゃま、多分明日で完成できそうだよ」
俺の予想では、さっき起きたドキドキについて叶人はずっと考え、何も手につかないと思っていたのに。ウサギ制作作業を進めていた。
俺も何事もなかったかのように、ウサギの足をチクチクし、作業をする。そうだよな、特に何か関係が変わるわけでもないし、叶人のように、いつもと変わらない気持ちで過ごしていけばいいんだよな――。さっきはなんであんなに悩んでたんだ?とも思えてきた。
そうして寝る時間がやってきた。
叶人はベットの上に、俺は床に布団を敷いていつも寝ている。今日もふたり並んで横になり、部屋の灯りを常夜灯にした。
目を閉じてしばらくすると「ねぇ」と小声で俺を呼ぶ声がした。この時間が久しぶりに来たか。
叶人は、叶人の〝起きてる〟と〝眠ってる〟の狭間の時間に、本音を話してくれる時がある。寝ぼけているのだろうと思う。しかも翌日はあんまり話した内容を覚えていないらしい。
「叶人、どうした?」
ほわんとしている表情の叶人と目が合った。
「僕ね、ハグしてからずっと陽向くんを意識しちゃってる」
「意識?」
「うん、恋人としての意識」
さっきまでは何事もなく過ごしている様子だったのに。頑張って気持ちを隠していたのか?
「僕ね、陽向くんとだったら、恋人になってもいいと、おも……」
話の途中で叶人は完全に眠りの世界へ行った。
俺は話の続きが気になって、しばらく眠れなかった。
――俺も、叶人となら恋人になってもいい。
ふと、何故か他の人と叶人が恋人になっている景色を想像してしまった。それは完全に嫌だな。俺はずっと、叶人の一番でありたいし隣にいたい。
「おかえり!」
「ただいま」
「うさぎのもっふんちゃま、多分明日で完成できそうだよ」
俺の予想では、さっき起きたドキドキについて叶人はずっと考え、何も手につかないと思っていたのに。ウサギ制作作業を進めていた。
俺も何事もなかったかのように、ウサギの足をチクチクし、作業をする。そうだよな、特に何か関係が変わるわけでもないし、叶人のように、いつもと変わらない気持ちで過ごしていけばいいんだよな――。さっきはなんであんなに悩んでたんだ?とも思えてきた。
そうして寝る時間がやってきた。
叶人はベットの上に、俺は床に布団を敷いていつも寝ている。今日もふたり並んで横になり、部屋の灯りを常夜灯にした。
目を閉じてしばらくすると「ねぇ」と小声で俺を呼ぶ声がした。この時間が久しぶりに来たか。
叶人は、叶人の〝起きてる〟と〝眠ってる〟の狭間の時間に、本音を話してくれる時がある。寝ぼけているのだろうと思う。しかも翌日はあんまり話した内容を覚えていないらしい。
「叶人、どうした?」
ほわんとしている表情の叶人と目が合った。
「僕ね、ハグしてからずっと陽向くんを意識しちゃってる」
「意識?」
「うん、恋人としての意識」
さっきまでは何事もなく過ごしている様子だったのに。頑張って気持ちを隠していたのか?
「僕ね、陽向くんとだったら、恋人になってもいいと、おも……」
話の途中で叶人は完全に眠りの世界へ行った。
俺は話の続きが気になって、しばらく眠れなかった。
――俺も、叶人となら恋人になってもいい。
ふと、何故か他の人と叶人が恋人になっている景色を想像してしまった。それは完全に嫌だな。俺はずっと、叶人の一番でありたいし隣にいたい。