「なぁ叶人、聞きたいことあるんだけど、聞いていい?」

「な、何?」
「叶人、俺のこと好き?」
「えっ? いや、学校でも言ったけど……陽向くんのことは大好きだけど、そんな恋人として好きではないよ……って思っていたけど」

 叶人が話す言葉の語尾が、小さくなってくる。
 大好きだけど、恋人として好きでは、ない?

「お、俺のことは結局大好きなのか?」
「うん、大好きだよ」

 大好きだけど、恋人として好きでは、ない……。あれ、俺、叶人のどんな言葉に傷ついていたんだっけ?

「とりあえず頭の中、風呂の中で整理してくるわ」
「僕も、なんか頭の中がぐるぐるしてワケわからなくなってきたから、陽向くんがお風呂入っている時にひとりで考えてみる」
「じゃあ、また後で!」