そして昼休み。
急いで弁当を食べて、叶人がいる隣のクラスに行こうとしたら、叶人が弁当と羊毛フェルト制作セットが入っている鳥柄模様の巾着を持って教室に入ってきた。
「叶人がこっちに来るの、珍しいな」
「うん、違うクラスの中に混ざるのはちょっとドキドキするけどね……陽向くんのために、来ちゃった」
はにかんだ笑顔の叶人。
俺のために頑張って、教室の奥にある俺の席にまで来てくれたんだ――。
「夏樹、席借りるわ」
「おう」
教室の後ろで立ちながら友達と話している、前の席の夏樹に俺は声を掛ける。
「叶人、ここ座りな」
「ありがとう」
「ありがとうはこっちの台詞だよ」
叶人はふふっと笑いながら夏樹の椅子に腰掛けて、こっちを向き、俺の机の上に羊毛フェルト制作セットを出そうとした。
「先に弁当食べちゃえば?」
「あ、うん。そうだね」
叶人は、俺の作業スペースを空けて、弁当箱を俺の机の端に置く。そして弁当箱の蓋を開けた。
「うわ、めちゃ可愛い弁当だな」
「そうなの! 最近ね、自分で作ってるんだ!」
「すごいな!」
「可愛いって言ってくれて嬉しいな! 実は今日ね、陽向くんにお弁当見られるかな?って思って、いつもよりも頑張ってみたんだ」
弁当箱の中には花の形のウインナーと卵焼きと人参。そしてハンバーグや丸められたご飯には可愛い鳥の顔が海苔で描かれていた。
「可愛いし、美味しそうだな」
「陽向くん、これあげる」
叶人が持っているフォークに刺さったハンバーグが俺の口に入る。
「叶人が作ったハンバーグ、おいしい!」
俺の反応を確認した叶人は「良かった!」と言うと、弁当を食べ始めた。
「ご飯、顔についてる」
「ありがとう、陽向くん! おかしいな……お弁当、いつもは顔につけないんだけど。陽向くんがいる所で食べると美味しさが増して食べるの真剣になっちゃうから、顔に何か食べ物をつけちゃうのかな?」
――めちゃくちゃ可愛いこと言うよな。
叶人の顔についたご飯をとると、自分の口に入れた。
俺は叶人の食べる姿をチラ見しながら、羊毛フェルト制作作業を先に始めた。
急いで弁当を食べて、叶人がいる隣のクラスに行こうとしたら、叶人が弁当と羊毛フェルト制作セットが入っている鳥柄模様の巾着を持って教室に入ってきた。
「叶人がこっちに来るの、珍しいな」
「うん、違うクラスの中に混ざるのはちょっとドキドキするけどね……陽向くんのために、来ちゃった」
はにかんだ笑顔の叶人。
俺のために頑張って、教室の奥にある俺の席にまで来てくれたんだ――。
「夏樹、席借りるわ」
「おう」
教室の後ろで立ちながら友達と話している、前の席の夏樹に俺は声を掛ける。
「叶人、ここ座りな」
「ありがとう」
「ありがとうはこっちの台詞だよ」
叶人はふふっと笑いながら夏樹の椅子に腰掛けて、こっちを向き、俺の机の上に羊毛フェルト制作セットを出そうとした。
「先に弁当食べちゃえば?」
「あ、うん。そうだね」
叶人は、俺の作業スペースを空けて、弁当箱を俺の机の端に置く。そして弁当箱の蓋を開けた。
「うわ、めちゃ可愛い弁当だな」
「そうなの! 最近ね、自分で作ってるんだ!」
「すごいな!」
「可愛いって言ってくれて嬉しいな! 実は今日ね、陽向くんにお弁当見られるかな?って思って、いつもよりも頑張ってみたんだ」
弁当箱の中には花の形のウインナーと卵焼きと人参。そしてハンバーグや丸められたご飯には可愛い鳥の顔が海苔で描かれていた。
「可愛いし、美味しそうだな」
「陽向くん、これあげる」
叶人が持っているフォークに刺さったハンバーグが俺の口に入る。
「叶人が作ったハンバーグ、おいしい!」
俺の反応を確認した叶人は「良かった!」と言うと、弁当を食べ始めた。
「ご飯、顔についてる」
「ありがとう、陽向くん! おかしいな……お弁当、いつもは顔につけないんだけど。陽向くんがいる所で食べると美味しさが増して食べるの真剣になっちゃうから、顔に何か食べ物をつけちゃうのかな?」
――めちゃくちゃ可愛いこと言うよな。
叶人の顔についたご飯をとると、自分の口に入れた。
俺は叶人の食べる姿をチラ見しながら、羊毛フェルト制作作業を先に始めた。